海岸で見られる薄紫の菜の花のような姿のハマダイコン。
栽培種が畑から逃げ出して野生化したと思われていましたが、最近の研究では別の野生のダイコンであるということが判明しました。
そんなハマダイコンの、食用として調べたことをまとめました。
ハマダイコンの基本情報
- ハマダイコン(浜大根):アブラナ科ダイコン属 越年草
- 自生地:日本全土
- 開花時期:4~6月
- 栄養成分:鉄、カルシウム、ビタミンA、Cなど
- 薬用効果:風邪、酒毒、咳止め、消化不良、去痰、健胃など
ハマダイコンの特徴
全国の海辺の砂地に見られます。
もともとはダイコンの祖先や、栽培種のものが野生化したと思われていました。
その割には他の場所ではあまり見られないハマダイコン。
葉は羽状に裂け、畑で栽培しているダイコンとほぼ同じ形をしています。
根は畑のダイコンのように大きくはならず、長く伸び枝根やひげ根が多く生えます。
かたくて辛みは強く、筋っぽいです。
群生し、初夏に30~70cmに茎を伸ばし4枚の花弁を総状花序につけます。
花色は薄紫色ですが、時に白色のものも見られます。
花後はさやをつけ、種は成熟するとコルク質のもので囲まれます。
そして海水に浮かび運ばれていきます。
冬はロゼット状で越冬します。
ハマダイコンの食べられる部位と採取時期
1~3月の若芽を採取します。
地域別の適期は、関西・中国・四国・九州地方では1~2月、関東地方では1~3月、東北地方は2~3月、北海道は3月が目安。
株は畑のダイコンにそっくり。
中央に出る若芽を摘み取ります。
また4~6月の花、晩春の若い実も食用になります。
根は辛味が強いですが、工夫すれば食べられます。
ダイコンと同様、開花前に採取します。
ハマダイコンの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
多くは海岸の砂地や河川の川原などに生え、群生していることが多いです。
小さなトゲが生えているので、採取には気をつけましょう。
ハマダイコンの調理方法
- 若芽:おひたし、和え物、漬け物、天ぷら、炒め物、汁の実、菜飯など
- 花:生食
- 実:生食、茹でる
- 根:漬け物、汁の実、大根おろしなど
アクは強くなく生食できますが、辛味が気になる場合はしたごしらえをします。
根は辛味が強いので、それを生かした調理法になります。
ここでは、ハマダイコンのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
塩ひとつまみ入れた熱湯で5~6分茹でて冷水に10分ほどさらします。
①おひたし、和え物
若芽はしたごしらえをしたものを食べやすい大きさに切り、盛りつけます。
また、ごま和えやからし和え、酢味噌和えなどにも合います。
②生食
実はさやのまま生でかじる辛味ととサクサクした食感を味わえます。
茹でると辛味は消えます。
また花は洗ってサラダに散らします。
③漬け物
細い根は茹でて塩漬けにしてから、醤油漬けやたくあん漬け、こうじ漬けなどに。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。