夏の小さな涼 ソバナの食べ方【食べられる山野草】

夏の小さな涼 ソバナの食べ方【食べられる山野草】

夏に山で見られる風鈴のような形をした紫色の花。
つややかで品の良いたたずまいですが、これも立派な山菜。

ソバナの食用として調べたことをまとめました。

ソバナの基本情報

 

  • ソバナ(蕎麦菜):キキョウ科ツリガネニンジン属 多年草
  •  別名:ヤマトトキ、ササナ、サジナ、ソマナ、チチナ、フクタチなど
  • 自生地:本州~九州
  • 開花期:7~9月
  • 薬用効果:咳止め、去痰、解毒、整腸、強壮、喉の渇き

 

ソバナの特徴


同じ仲間のツリガネニンジンに似ているソバナ。
しかしこちらはもう少し山の、湿り気のある場所に自生します。
草丈は40~100cmほどで葉には鋸歯があり、先のとがった卵形。
夏になると枝分かれした茎先に2~3cmの釣鐘型の淡紫の花を下げます。

ソバナという名の由来は、蕎麦の葉と同じように柔らかい、傾斜の急な側道に生えることからなどと言われています。

 

ソバナの食べられる部位と採取時期

4~5月の若芽や若葉7~9月の花が食用になります。

若芽や若葉は20cm以内のものを使います。
出たばかりの黄色みを帯びている光沢のある若芽を根際から切り取ります。
伸びきってしまったものも先端の柔らかい部分であれば利用できます。

切り口からは白い乳液が出て、空気に触れると粘り気が出ます。
服などにつかないよう注意しましょう。

 

ソバナの採取場所と注意

 

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

低山から高山の湿った場所を好みます。
草原や雑木林の林床、渓流沿いなどに大小の群落を作ります。

採取したものはそのままにすると萎びてしまいます。
湿らせた新聞紙などにくるんですぐに持ち帰りましょう。

ソバナの調理方法

 

  • 若芽、若葉:おひたし、和え物、汁の実、天ぷらなど
  • 花:サラダ、酢の物など

ソバナの若芽はほとんどクセがなくさっぱりとし、様々な料理に使えます。
少しずついろいろな料理に試しても面白いです。
ここでは、ソバナのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

 

したごしらえ 
熱湯で2~3分茹でて水に5分ほどさらします。

①おひたし、和え物 
したごしらえしたものを食べやすい大きさに切って盛りつけます。
和え物には酢味噌やごまなど、色々なものと合います。

②天ぷら 
若芽を生のまま衣をつけて天ぷらに。
上品な味を楽しめます。

③サラダ 
花はエディブルフラワーになり、サラダの彩りに利用できます。
かわいい小花を散らしてみましょう。

 

参考になる本の紹介

この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。