臭くても食べられる?クサギの採取と食べ方【食べられる山野草】

臭くても食べられる?クサギの採取と食べ方【食べられる山野草】

独特の臭いを発するこの木は、鮮やかでかわいらしい実が印象的なクサギ。
そんなクサギは特に西日本で好んで食べられるそう。

食用として調べたことをまとめてみました。

クサギの基本情報

  • クサギ(臭木):シソ科(旧クマツヅラ科)クサギ属 落葉低木
  • 別名:ヘクサノキ、クサギリ、センチギなど
  • 自生地:北海道~九州
  • 開花時期:7~9月
  • 薬用効果:高血圧、リウマチ、腹痛、下痢、腫れ物

 

クサギの特徴

荒れ地に真っ先に生えるパイオニア植物。

全体に独特の臭気があり、これが名前の由来となっています。
葉や枝を傷付けたり揉んだりすると更に強く香りを発します。

高さ2~3mほどの落葉低木で、葉は先の鋭く尖った三角状卵形で対生します。
夏には枝先に小さな白色の花を集めて咲きます。
花には甘い香りがあり、アゲハチョウなどが集まります。
花が終わると目に鮮やかな藍色の実が熟します。
この実は染料として利用されることがあります。

10月~12月頃には紅葉し、ややくすんだライムイエローに染まります。
葉が薄く、落葉するとすぐにしおれてしまいます。

 

クサギの食べられる部位と採取時期

 

春から秋にかけて、長期間採取することができます。
かつては救荒植物とされ、夏の不作の時には非常食として活躍しました。
戦前世代には懐かしい味であることも。

おいしいものは4月初めの若芽が最上。
地域別では、関西地方以西では4月、関東地方は5月、北海道・東北・中部地方は5月ごろが採取の適期。
ある程度生長したものでも、上から3番芽までのものは利用することができます。

芽の全部を取るのではなく、枝に出た芽の半分程度を採取するのがよいでしょう。

 

クサギの採取場所

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

平地から山地、海辺までにも見られます。
原野や林縁、道路わき、河原や谷の沢沿いなどで群生します。

花の時期は蝶や蜂などが群がることがあります。

 

クサギの調理方法

  • 若芽:おひたし、和え物、炒め物、汁の実、菜飯、煮物、天ぷらなど

強い臭気と苦味があるので、したごしらえは必須。
ここでは、クサギのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

 

したごしらえ 
良く洗い、臭みを取るため塩ひとつまみを入れた熱湯で茹でます。
春一番の新芽の場合は、しんなりする程度に、5月ごろの若葉は柔らかくなるまで茹でます。
さらに水にさらして苦味を取りますが、新芽の場合は一昼夜、生長したものは2~3日かけます。
全く苦味がなくなると味気が無いので、途中で試食して確かめます。

また、したごしらえが終わったものを天日乾燥で保存することができます。
使う時は水で戻します。

①和え物 
味噌和えやマヨネーズ和えなどが合います。
ほのかに残る苦味は独特の風味としておいしく感じられます。

②菜飯 
乾燥させたものを戻し、お米と一緒に炊きます。
乾燥したものは臭いはありません。

③天ぷら 
天ぷらで食べる場合、洗った後生のまま衣をつけて揚げます。
苦味はほとんど残るので好みは分かれます。

 

参考になる本の紹介

この記事を作成するにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真などが掲載されていますので、ぜひご覧ください。