紫色のきれいな花をつけるフジ。
春に公園や観光地などでも華やかな藤棚が見られます。
そんなフジが食べられるとのことで、調べたことをまとめました。
フジの基本情報
- フジ(藤):マメ科フジ属 落葉つる性低木
- 別名:ノダフジ、サッコウ、ツルフジ、ツジヅル、ハナフジなど
- 自生地:本州、四国、九州の山地や川端、海岸などの日当たりのよいところ
- 開花時期:4~6月
- 成分:樹皮にイソフラボン配糖体ウエスチン(アフロモジン・β・d・グルコシド)
フジの特徴
フジはつる性の落葉低木です。
つるで他の木に巻きついて高く上り、春には枝先に、紫色の長く香り高い花穂を垂れます。
まれに白花がみられることも。
公園などでも観賞用に藤棚が設置され、見かける機会の多い樹木。
特徴のある花なので、分かりやすいです。
葉は奇数羽状複葉で13~17枚の小葉をつけ互生します。
葉のふちは波打つような形です。
紅葉は10~12月で基本的に黄色。
日当たりの良い場所では橙色に、日陰では淡い黄色に染まります。
実は秋に熟し、長細く下膨れのさやが見られます。
園芸品種の白いフジの花も食べられます。
フジの食べられる部位
食用部位は花とつぼみ、葉、種、根、藤こぶ。
咲きだす前のつぼみや花を摘みます。
葉は柔らかな若葉を。
また種や根、古木にできる藤こぶは生薬として使えます。
フジの採取時期
フジの花は4~6月ごろに咲くので、咲きだす前のつぼみや、花を摘みます。
若葉は3~4月ごろ、種は7~8月ごろ、藤こぶはいつでも採取できます。
フジの採取場所と注意
公園や観光地、私有地などのフジは見て楽しむだけにとどめておきましょう。
自然の中では、野生のフジは足場の悪い場所に生えていたり、花は手の届かない高い場所につくこともあるので、柄の長い鎌や、高枝切りばさみなどを準備しておくと便利です。
フジは花を房状につけます。花軸の付け根から房ごと収穫します。
房の中には傷んだ花がある場合もあるので、つぼみと花の半々くらいのものを選ぶとよいです。
おひたしやかき揚げにする場合は、花の咲き始めたものとつぼみを一緒に軸からしごいて採ります。
採取時、花の蜜を目的に蜂が飛んでいることがあるので気をつけてください。
また、花の中にも虫が混入することもあるので注意しましょう。
フジの調理方法
採取したら、なるべく早めに調理しましょう。
部位によっておすすめの調理法があります。
- 花:天ぷら、酢の物、おひたし、和え物、姿揚げ、寄せ物、花酒など
- 若葉:おひたし、油炒め、煮びたし、つくだ煮、和え物、天ぷら、味噌汁の具など
アクは弱く、食べやすい食材です。
ここでは、フジの花のシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
花が咲き始めたものは、つぼみと合わせてかき揚げに。
花とつぼみを衣に混ぜて揚げます。
わずかに香りと甘みのある天ぷらになります。
②酢のもの
フジの花は茹でると香りがほとんど消えてしまい、味も特徴がありません。
しかし見た目が面白く、茹でても目減りしません。
つぼみや花を一花ずつバラし、酢を落とした湯でさっと冷水にとります。
③生のままゼリーにも
花の香りや姿を生かして、見た目の良いデザートに。
フジの薬効
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
フジは生薬として藤花菜(とうかさい)、藤瘤(ふじこぶ)と呼ばれ、
その種子と根、藤こぶに薬効があるといわれています。
薬用効果
- 整腸剤:種子を煎じて服用すると便秘や下痢に効く。
- 婦人病、筋肉痛、利尿:根を煎じて服用する。
- 潰瘍、胃腸疾患:藤瘤を煎じて飲む。
参考になる本の紹介
この記事の作成にあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。