グランドカバーの定番 ジャノヒゲの食べ方【食べられる山野草】

グランドカバーの定番 ジャノヒゲの食べ方【食べられる山野草】

リュウノヒゲとも呼ばれる背の低い植物。
強健で青々とし、整った見た目なので、庭木の下やグランドカバーに使われ、ちょっと便利な扱いをされています。
しかし根は生薬となり、食用としても楽しむことができる有用植物。

そんなジャノヒゲの、食用として調べたことをまとめました。

ジャノヒゲの基本情報

  • ジャノヒゲ(蛇の髭):キジカクシ科(ユリ科)ジャノヒゲ属 多年草
  • 別名:リュウノヒゲ、タツノヒゲ
  • 自生地:日本全土
  • 開花時期:7~9月
  • 栄養成分:糖質、ステロイドサポニン類を含む
  • 薬用効果:痰切り、鎮咳、滋養

 

ジャノヒゲの特徴

朝鮮半島、中国、ヒマラヤまで分布し、日本は東限となっています。
常緑の多年草で草丈は10~20cmほど。
葉は細くてかたく、夏に薄青色の小さな花が咲き、秋に濃青の種子をつけます。
土中の根茎から匍匐枝を伸ばして増えますが、根に肥厚した部分ができます。
これが生薬の「麦門冬(ばくもんとう)」で、食用にもなります。

ジャノヒゲと同様に利用できるヤブランも麦門冬と呼びます。
呼び分ける時は、ジャノヒゲは小葉麦門冬、ヤブランを大葉麦門冬とします。

ジャノヒゲの名の由来は、能面の翁の顎髭からといわれています。
翁の面を尉(じょう)といい、尉の髭が転訛したものという説があります。

 

ジャノヒゲの食べられる部位と採取時期

6月~8月、もしくは11~2月ごろ塊根の採取時期になります。

根元の土をかき分けると、根に小さなピーナッツのように膨らんでいる塊根の部分があります。
必要な分だけ採り、埋め戻すとまた別の根に塊根ができます。

なお、秋の青い実も薬用になります。

ジャノヒゲの採取場所と注意

 

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

 

野生のものは山や林の日陰、草原、路傍などに生育します。
園芸植物としても売られており、庭にも植栽されます。

ジャノヒゲの調理方法

  • 塊根:スープ、薬酒、菓子など

ジャノヒゲの塊根はゴボウのような香りでシャキシャキ感があります。
一度に多く採取するのは大変なので、ちょっと楽しむ程度にしましょう。
ここでは、ジャノヒゲのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

 

したごしらえ 
水に浸けて土を落とし、熱湯でさっと茹でます。

①納豆に混ぜて 
醤油と、ネギなどの薬味とともに混ぜていただきます。
薬効もあり滋養強壮になります。

②薬酒 
洗った塊根を容器に入れ、ひたひたになるくらいの焼酎に浸けます。
一年ほど冷暗所に保管すると薬酒になります。
疲労回復や鎮咳に効果あり。

 

ジャノヒゲの薬効

薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。

ジャノヒゲの塊根は生薬では「麦門冬(ばくもんとう)」と呼ばれており、鎮咳去痰、滋養強壮に効果があるとされています。また、青い実は1~2粒を潰して蜂蜜を加え、煎じて服用することで暑気あたりや吐血に効果があるとのことです。

参考になる本の紹介

この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。