後世に残したい山菜 ミツバウツギの採取と食べ方【食べられる山野草】

後世に残したい山菜 ミツバウツギの採取と食べ方【食べられる山野草】

山には多くの山菜があり、昔から活用されてきました。
しかし飽食の時代、現代においては少しずつ忘れられかけている山菜もあります。
ミツバウツギもその中の一つ。

そんなミツバウツギの採取方法や楽しみ方などをまとめてみました。

ミツバウツギの基本情報

 

  • ミツバウツギ(三葉空木):ミツバウツギ科ミツバウツギ属 落葉低木
  • 別名:コメノキ、コメナ、コメゴメ、カサナ、コメウツギ、ハシギ、ナンマイなど
  • 自生地:北海道~九州
  • 開花時期:5~6月

 

ミツバウツギの特徴


山地から低地までに自生する落葉低木で、雑木に混じって生育します。
高さは2~5mほどで、株元から沢山枝分かれし、やぶ状になります。
春先に3枚の小葉を対生します。葉は先のとがった長楕円形で縁に細かい鋸歯があります。
5~6月ごろには枝先に白い5弁花が半開きに咲き、上品な香りを漂わせます。
花は半開きのまま散り、秋にはハートに似た形の袋状の実をぶら下げます。

ミツバウツギはウツギの仲間ではありません。
しかし枝ぶりや花などがウツギに似ているため、この名がつきました。

 

ミツバウツギと間違えやすいものに日本三大有毒植物のドクウツギがあります。
芽出しの姿が似ているので、3小葉をよく確認すること。
主な有毒部位は果実や種子ですが、毒性分には即効性があり誤食すると死に至ります。

 

ミツバウツギの食べられる部位と採取時期

4~6月の萌え出たばかりの若芽やつぼみが食用になります。
関東地方以西では4~6月、北海道、東北地方では5~6月が採取の適期。
爪が立つくらいの柔らかい枝先部分を摘み取ります。

梅雨入り近くになるとアブラムシが発生し食用に適さなくなります。

 

ミツバウツギの採取場所と注意

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

特に低山地帯の雑木林の林内や林縁、川沿いなどに自生します。
少し湿り気のある場所を好みます。
一株見つければ、沢山採ることができます。

 

ミツバウツギの調理方法

 

  • 若芽:天ぷら、炒め物、煮びたし、おひたし、和え物、酢の物、汁の実、菜飯など
  • つぼみ:天ぷら、酢の物

ミツバウツギにはアクやクセはほとんどなく、上品な香りがあります。
ここでは、ミツバウツギのシンプルな調理法を紹介します。

したごしらえ 
塩ひとつまみを入れた熱湯で軽く茹でます。
苦味はほとんどなく、水にさらさなくても大丈夫。
水にさらすと旨味が逃げてしまうので、手早く茹でて手早く水切りをします。
冷凍や天日干しで保存もできます。

①おひたし、和え物 
したごしらえをしたものを食べやすい大きさに切って盛りつけます。
かつお節をかけてポン酢醤油で食べたり、ごま和え、味噌和えにします。
歯ごたえの良い一品に。

②天ぷら 
生のまま、若芽は葉の裏に衣をつけて揚げると形を楽しめます。
つぼみや開きかけの花も房ごと天ぷらに。

③菜飯 
若芽を塩茹でして細かく刻み、炊きたてのご飯に混ぜて蒸らします。

 

参考になる本の紹介

この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。