オオバギボウシの採取方法と楽しみ方【食べられる山野草】

オオバギボウシの採取方法と楽しみ方【食べられる山野草】

ギボウシはギボウシ属の総称で、国内には多くの種が自生し、園芸品種も多種あります。
山菜としては葉の大きなオオバギボウシや小柄なコバギボウシなどがありますが、ここではおいしいとされているオオバギボウシの調べたことをまとめました。

 

オオバギボウシの基本情報

  • オオバギボウシ(大葉擬宝珠):クサスギカズラ科(旧ユリ科)オオバギボウシ属 多年草
  • 別名:ウルイ、ユリッパ、ウリッパ、アメフリバナ、ギボウシュ、ヤマカンピョウなど多数
  • 自生地:北海道~九州
  • 開花時期:6~8月
  • 栄養成分:カリウム、リン、マグネシウム、ビタミンC、食物繊維、サポニンなど
  • 薬用効果:腫れ物、利尿など

 

オオバギボウシの特徴


名前の由来は、花のつぼみが花茎の上に集まっているのが橋の欄干の擬宝珠に似ており、葉が卵状楕円形で大きいからといわれています。

主に山野に育つ大型の野草で、葉は30~40cmの長さになり、根元から群がって出ます。
草丈は50~100cmになり、夏に長い花茎を伸ばします。
ラッパ状の薄紫色や白色の花を多数、うつむき加減につけます。

東北地方や中部地方では新芽のことをウルイと呼んで山菜として食されます。

近年は栽培もされ、比較的容易に育つので庭のグランドカバーに使われることもあります。
また観賞用の斑入りのものもあり、こちらも食用になります。

 

同様に食用にできるもので、近縁のコバギボウシがあります。
オオバギボウシと比べると草丈は30~60cmと小型。
野生のものは葉は細くてかたく食べにくいです。
しかし山形県や新潟県で栽培されているものは柔らかく食べやすくなっています。
和え物やおひたし、天ぷら、ぬたなどにして食べます。

 

オオバギボウシに似た毒草

以下の毒草はオオバギボウシと誤食されたことがあります。

バイケイソウ・コバイケイソウ 
噛んでみると苦味があり、誤って食べると嘔吐や手足にしびれが起こります。
オオバギボウシとの違いは、手触りが異なります。
オオバギボウシの芽は柔らかくしっとりしていますが、コバイケイソウはざらついています。

 

ザゼンソウ 
過去にオオバギボウシと間違えて誤食し中毒した事例があります。
姿をよく確認しましょう。

オオバギボウシの食べられる部位と採取時期

 

4~6月の若芽やつぼみ、花が食用になります。
葉の開いていないものを株の根元から切り取ります。
花も開ききらない咲きかけのものを摘み取ります。

葉が開いてしまったものはかたいので葉柄だけ利用できます。

 

オオバギボウシの採取場所と注意

 

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

北海道中部から九州の屋久島まで広く分布します。
山野の崖や急斜面、沢沿いや湿地などの、日当たりのよい場所に群生しています。

 

オオバギボウシの調理方法


オオバギボウシは、部位によっておすすめの調理法が異なります。

  • 若芽:おひたし、和え物、汁の実、煮物、天ぷらなど
  • つぼみ、花:天ぷら、酢の物、サラダ

葉はネギに似たぬめりのある食感で、つぼみや花は生でも楽しめます。
ここでは、オオバギボウシのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

 

したごしらえ 
アクはあまりありません。
軽く茹でて水にさらします。

①おひたし 
したごしらえをしたものを食べやすい大きさに切って盛りつけます。
かつお節やマヨネーズなどお好みの味つけで。
若芽はぬめりと歯ごたえ、わずかな苦味があり、素材の味を楽しめます。
つぼみはほろ苦さがあります。

②つぼみや花の酢の物 
花はアントシアニンを含むため、さっと湯通しして甘酢に漬けると色鮮やかに変わります。

③天ぷら 
若芽もつぼみや花も、生のまま天ぷらにできます。

 

ヤマカンピョウの作り方


オオバギボウシの茎葉を乾燥させたものを、ヤマカンピョウと呼びます。
保存食になりますので、試してみてはいかがでしょう。

  1. 柔らかいものを採取。かたいものはできあがりも硬くなります。
  2. 根元から切ったものの葉を取り除き、根元も切り捨てます。
  3. 茎をばらして、水洗いします。
  4. 葉柄部分のみにし、鍋に入れ熱湯で10分ほどしっかり茹でます。
  5. 天日に干し、何度か揉み干します。
  6. 干し上がるとカラカラに茶色になります。
  7. 湿気にあたらないよう保存します。

水で戻して、カンピョウと同じように使います。

 

オオバギボウシの薬効

薬効については、あくまで参考程度に記載してます。

  • 腫れ物:全草を日干しし、煎液で患部を洗います。生葉汁を患部につけても効果があります。
  • 利尿:乾燥させた花の煎液を服用します。

 

参考になる本の紹介

この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。