春の雑草カラスノエンドウの食べ方【食べられる山野草】

春の雑草カラスノエンドウの食べ方【食べられる山野草】

春の土手や野原を埋め尽くす、カラスノエンドウ。
旺盛な繁殖力がうっとうしがられる雑草です。

そんなカラスノエンドウが食べられるとのことで、調べたことをまとめました。

カラスノエンドウの基本情報

  • カラスノエンドウ:マメ科ソラマメ属 つる性の一年草または越年草
  • 別名:ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)、ノエンドウ、ハサミグサ、ピーピーグサなど
  • 自生地:日本全国
  • 開花時期:3~6月

カラスノエンドウの特徴

サヤエンドウの小型版の姿。
葉の先端は巻きひげになり、互いに、また他の草などに絡みながら立ちあがり伸びていきます。
春に葉の付け根にスイートピーを小さくしたような紫色の花をつけます。
花が終わると4cmほどの豆のさやがつき実がなります。

大正時代にドイツから飼料作物として持ち込まれ、野生化し全国に広まりました。
カラスノエンドウの小型のものでスズメノエンドウがありますが、こちらも食用になります。

また、大きさをスズメノエンドウに対比してカラスノエンドウの名がつけられました。
別名のヤハズエンドウはエンドウマメのように小葉の先端がくぼみ、弓矢の弦を受ける矢筈に似ていることが由来になりました。

カラスノエンドウの食べられる部位

食用部位は若芽や若葉、花、豆さやです。

先端から10cmほどの、やわらかい若芽や若葉を摘み取ります。
生長しきってしまうと筋っぽくなります。
豆も黒く熟したものはかたいので、若いものを摘むようにします。

カラスノエンドウの採取時期と場所

採取の最盛期は3~5月。
地方別の目安は、3~4月に関西・中国・四国・九州地方、4月ごろに関東・中部、4~5月に北海道・東北。

つぼみが出る前の、指先で摘めるくらいの柔らかいものを採取します。

繁殖力の強い植物なので、都市近郊の土手や空き地、畑のへりなど、どこにでも生えています。
車の排気ガスのある場所や犬の散歩道になっていない場所を探して採取しましょう。

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

カラスノエンドウは虫がつきやすい植物。
アブラムシを食べにテントウムシがつくことも。
採取後はよく洗いましょう。

カラスノエンドウの調理方法

  • 若芽、若葉、茎先:おひたし、和え物、炒め物、サラダなど
  • 若いさや:炒め物、天ぷら、素揚げ、煮物など

クセがなくマメ科特有のコクと甘みを感じます。

カラスノエンドウは摘むと、急速にかたくなっていきます。
おいしく食べるために、採取後はすぐに食べるようにするか、したごしらえをしましょう。

ここでは、カラスノエンドウのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

 

したごしらえ 
塩ひとつまみ入れた熱湯で5分間茹で、水に10分ほどさらします。
保存する時はしっかり水気をとり密閉袋に入れて冷凍します。

①サラダ 
茎が爪で切れるかたさのものは生で食べられます。
摘みたての新鮮なものをよく洗って使って。

②おひたし 
野生的な豆の香り。
シャキシャキした歯ごたえを感じられます。

③豆は煮物や汁の実に 
若いさやは、筋をとり両端を切って。

カラスノエンドウの薬効

薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。

カラスノエンドウには以下のような薬効があるといわれています。

薬用効果:
咳の症状緩和や整腸、利尿作用、内臓のむくみとり、貧血によいと言われています。
また地上部を採取して日干しにし、1日5gをコップ1杯の水で半分の量まで煎じて飲めば、胃もたれに効くとされています。

 

参考になる本の紹介

この記事を作成するにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。