野生で見つけられたら奇跡?ヤマブドウの採取と食べ方【食べられる山野草】

野生で見つけられたら奇跡?ヤマブドウの採取と食べ方【食べられる山野草】

秋、東北の道の駅でヤマブドウを見かけることがあります。
野生の、山に自生するものは里で採れるものよりも力強く、濃厚な味と香りがあるそうです。

そんなヤマブドウの採取方法や楽しみ方などをまとめてみました。

ヤマブドウの基本情報

 

  • ヤマブドウ(山葡萄):ブドウ科ブドウ属 落葉つる性木本
  • 別名:サナズラ、エビカズラなど
  • 自生地:北海道、本州、四国
  • 開花時期:6~7月

 

ヤマブドウの特徴

ヤマブドウという名の通り、山地に自生します。
雌雄異株のつる性植物で他の草木に絡みついて生長し、20m以上に伸びることも。

葉は新しく出たものは紫色を帯び、徐々に緑色に変わります。
30cmほどにも大きくなり、光沢があり厚く、触るとゴワゴワした質感。
縁には鋸歯があり、深い葉脈を持ちます。

初夏に黄緑色の小花を咲かせ、長さ15cmほどの房を作り実を結実させます。
秋に実は黒紫色に熟します。

ヤマブドウは9~11月、紅葉期を迎えます。
黄色くなることはほとんどなく、橙色~赤色に染まります。
寒い地域ほど色濃く鮮やかになります。

間違えやすいものに、全草に毒を持つヨウシュヤマゴボウがあります。
こちらをヤマブドウと勘違いされることもあります。
誤食すると吐き気、嘔吐、下痢などを起こし、最悪の場合死亡します。

ヤマブドウの食べられる部位と採取時期

5~7月の若葉と、10~11月の果実が食用になります。

若葉は、完全に開く前のものを摘み取ります。
(成長した大きな葉はお皿代わりに使っても◎)

果実は房全体が黒紫色の、触れると落ちそうなくらいのものが食べごろ。
また、酸味は強いですが夏の未熟なものでも食用になります。
採取時は果実は房ごと切り取り、潰れないよう容器に入れて持ち帰ります。

 

ヤマブドウの採取場所と注意

 

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

主な自生地は標高500~1500mくらいまでの山地。
日当たりの良い沢沿いの山道や広葉樹林の山などに見られます。

夏の山歩きで緑色の実を見つけておき、紅葉の時期に再訪します。
しかしヤマブドウの完熟のころは、先に野生動物に食べられてしまうこともあります。

 

ヤマブドウの調理方法

持ち帰ったヤマブドウは、すぐに使わない場合は傷んだ部分を取り除き、洗わずに新聞紙などで包んで冷蔵保存することで1週間ほどもちます。

  • 果実:生食、ジャム、ジュース、ワイン、塩漬けなど
  • 若葉:天ぷら

ヤマブドウの若葉は酸味があり、おひたしや和え物には向きません。
ここでは、ヤマブドウのシンプルな調理法を紹介します。

 

したごしらえ 
果実をジャムやジュースにする場合、生のまま調理すると色が良くないので火を入れて色止めをします。
ワインにする場合は洗わないで使います。

①ジャム 
果実は冷凍してから煮ると皮もジャムに使うことができます。
種を取り除くには万能漉し器などを使います。
酸っぱい場合は砂糖を多めに入れます。
凍らせて長期保存できます。

②塩漬け 
未熟な青い果実は房ごと塩漬けにして食べることができます。
長期保存もできます。

③若葉の天ぷら 
水洗いした若葉は、生のまま衣をつけて天ぷらに。
酸味はほとんど消え、しっかりした歯ごたえを感じられます。

 

手軽にヤマブドウを楽しむ方法

野生のヤマブドウを味わってみたいけれど、探すのはなかなか大変。
そんな時は通販でジュースを購入することができます。

こちらは栽培品ではなく、野生のヤマブドウを加工したもの。
少しお高いですが、濃い原液なので使い方も工夫できます。
評判も良いようなので、これはぜひ試してみたいですね。

 

参考になる本の紹介

この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。