観賞だけじゃもったいない?ツワブキの採取時期と食べ方【食べられる山野草】

観賞だけじゃもったいない?ツワブキの採取時期と食べ方【食べられる山野草】

日本庭園に植えられていることのある、フキに似た形のツヤツヤの葉。
秋には黄色い花を咲かせるこの植物はツワブキというそう。

そんなツワブキが食べられるとのことで、調べたことをまとめました。

ツワブキの基本情報

  • ツワブキ(艶蕗・石蕗):キク科ツワブキ属 多年草
  • 別名:ツヤブキ、ツワ、ツバ、ヤチブキ、コガネバナ、フユナ、チイパッパなど
  • 自生地:本州(石川・福島以南)~沖縄
  • 開花期:10~12月
  • 栄養成分:ミネラル(ナトリウム・カリウム)、ビタミン、食物繊維

 

ツワブキの特徴

 

フキに似た形で、肉厚で艶のある葉が特徴の常緑多年草です。

野生種は潮風の強い海岸などでたくましく育つ野草。
海浜植物特有の艶のあることから「艶蕗(つやぶき)」と呼ばれることもあります。

春の新芽は綿毛をかぶっています。
草丈は40~70cmほどにもなり、茎は飴色。
秋から初冬に5cmほどの黄色い小菊のような花を沢山つけます。
花が終わると種を飛ばして増えます。

昔から民間薬として、腫れ物や軽いやけど、虫刺されなどに使われてきました。

九州名産の「きゃらぶき」は今はフキを使いますが、本来このツワブキを使っていました。

 

ツワブキの食べられる部位

フキと同様にきゃらぶきとして茎や葉柄が食べられます。
も、また花やつぼみも食用になります。

 

ツワブキの採取時期

若葉と若芽は春です。
地方別の適期としては、関東・関西・中国・四国・九州・沖縄地方では3~5月、中部地方では3~6月。

花は開花期の秋。

葉と葉柄、茎は一年中使えますが、茎は開花期はかたくなります

 

ツワブキの採取場所と注意

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

本州の石川・福島以南の浜辺や野原、陵地・山地の林縁などに自生します。
家庭で使うことを目的に海辺から移され、周辺の里山に広がったようです。
園芸品種もあり、庭で栽培されることも。

 

ツワブキの調理方法

ツワブキは多量に摂ると発がんの可能性を高めるピロリジンアルカロイドのセンキルキンを含みます。多食は避けましょう。

  • 若葉、若芽:天ぷら、炒め物など
  • 葉柄、茎:煮物、つくだ煮、和え物、天ぷら、甘酢漬けなど
  • 花、つぼみ:天ぷら、三杯酢など

生食には向きません。
アクが強いので、したごしらえをしっかりしましょう。

ツワブキのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

 

したごしらえ 
若い茎や葉柄は軽く茹でて皮をむきます。
生長した葉の葉柄は木灰か重曹で10分ほど茹で、冷水に20分さらします。
花やつぼみは軽く茹でて。

①若葉や新芽の炒め物 
したごしらえし水気をとり、味噌炒めなどに。

②花とつぼみの天ぷら 
花の見た目が良いですが、特につぼみを使うのがおすすめ。

③きゃらぶき
葉柄はしたごしらえをしたら、食べやすい大きさに切り、醤油やみりん、砂糖で煮詰めます。

ツワブキの薬効

薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。

ツワブキは生薬では橐吾(たくご)と呼ばれています。
以下のような薬効があるといわれています。

  • 腫れ物、軽いやけど、虫刺され、歯痛:生の葉と茎の汁を患部に塗る。または葉を火であぶり、揉んで患部に貼りつける。
  • 食あたり、フグ毒の特効薬に:茎葉を煎じて飲む。

 

参考になる本の紹介

この記事を作成するにあたり、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しいレシピや写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。