アザミが食べられる?種類や食べ方の紹介【食べられる山野草】

食べられる野草・山菜

野原や田んぼのあぜ道などで見かけるアザミ。
トゲトゲした攻撃的な姿ですが、スコットランドの国花でもあります。
しかしそんなアザミが食べられるとは、あまり想像できません。

ここではアザミの食用として調べたことをまとめました。

アザミ類の基本情報

  • アザミ類:キク科 多年草(まれに1~2年草)
  • 自生地:日本各地
  • 開花期:5~10月(種類による)
  • 栄養成分:食物繊維、カリウム、カルシウム、ポリフェノールなど
  • 薬用効果:熱性出血、血尿、黄疸、むくみ、にきび、吹き出物など

 

アザミの種類は多い


アザミという呼び方は数多くある仲間の総称です。
国内には約100種ほども自生しているアザミ類。
分布地域は種によって異なり、広く分布するものから限られた地方にのみ自生するもの、自然交配による雑種も多くあります。
アザミの名の由来は、トゲが多く生え触れると痛いことからあざむ(傷む)草と呼ばれ、それが転訛したそう。

多くの種類は葉や花に鋭いトゲをもちます。
採取は手袋をするなどして行うと良いでしょう。
花は球状または筒状に小花を集めて咲きます。
花は春に咲くものと秋に咲くものがあります。

多くのアザミ類は食用にでき、葉や茎、つぼみ、花、根に至るまで全て利用できます。
しかし根を食べるならモリアザミやハマアザミが適し、サワアザミは若い茎が食用に適すなど、種類によって利用部分が異なります。

 

最も多く見かけるノアザミ(野薊)

ウマノボタモチ、ハルアザミとも呼ばれます。
栽培種のドイツアザミはノアザミを改良したものだそう。

北海道以外の日本各地で見られ、野原や里山の林床など日当たりの良い場所に自生します。
他の種類のアザミと異なり、ノアザミの開花時期は春。
花色は通常赤紫色ですが、稀に白や赤色が見られることも。
草丈は通常1~1.5mほどですが、時に2mにもなります。

食用としては、柔らかい若芽や茎、葉を4~6月に採取します。
花や根も食べることができます。

 

雪国に多いサワアザミ(沢薊)

別名サワゴボウ、オオバアザミ、ナアザミとも呼ばれます。
北海道や本州近畿以北、主に日本海側に分布し、山地の沢沿いや湿り気の多い場所に好んで群生します。

大型で草丈は2~3mになります。
葉も長さ60cmにもなりますが、他のアザミに比べるとトゲは柔らかいです。
食用としては開花する前、花茎が伸びる前5~8月に若い芽や茎先を摘み取ります。
天ぷらや炒め物、甘煮、汁の実、おひたし、和え物にして食べられます。
アザミの中では香りや苦味が強く感じられます。

 

通好みの山菜ダキバヒメアザミ(抱葉姫薊)

本州中部以北の山地や沢沿いなど湿った所に群生します。
草丈は通常1.5~2mになります。
花の開花時期は7~9月。
食用として採取する場合は開花前の4~6月に若い葉や茎を摘み取ります。
葉には鋭いトゲがあるので生長したものは葉を落として採取します。
茎は硬いものは皮をむいて食べます。
葉と茎は一夜漬け、からし漬けなど漬け物に合います。

 

高地に好んで生育するタチアザミ(立薊)

ヤチアザミ、ギラアザミ、キタロウアザミとも呼ばれます。
東北や北陸の山地や谷間などの湿った場所に群生します。
草丈は1~2mで、花は上向きに1~3個つけます。
食用としての時期は開花前の5~7月で、若い葉や柔らかい茎を採取します。
アザミの中では香りは弱い方ですが、あくがないので仲間の中では最も食べやすい種類です。
おひたしや和え物、炒め物、漬け物、味噌汁などに向きます。

 

岩手県に多く自生するナンブアザミ(南部薊)

ヤマアザミ、ナアザミ、セイタカアザミとも呼ばれます。
元々岩手県の南部藩のあった地域に多く見られたため、この名前がつきました。

山地や山すその林縁、野原、道端などの日当たりの良い場所に群生します。
草丈は1.5~2mほどで、アザミの中では大型。
花は夏から秋にかけて開花しますが、食用としての適期は4~7月。
若葉や柔らかい茎を採取し、炒め物や漬け物、味噌汁などにします。
フキのような香りがあります。

 

南の地に育つオイランアザミ(花魁薊)

南九州や奄美大島などの限られた地域に分布します。
海岸近くの草地や砂礫地、岩場などを好んで群落をつくります。
鋭いトゲを持ち、花は6~12月に咲かせます。

この地域では葉の軸をフキやツワブキのように醤油や砂糖で煮付けて食べます。
とんこつ料理ともよく合います。

 

山ごぼうの名で販売されるモリアザミ(森薊)

ゴボウアザミとも呼ばれ、その名の通り根が主な食用部位で、ゴボウのような香りが持ち味。
10月から翌年の春にかけて掘り出されます。
本州中部以南の山地に自生しますが、野生のものと出会えることは少なく、栽培されていることが多いです。
モリアザミを見つけた時は、それが栽培されているものかを確認します。
長野や山梨、岐阜などではモリアザミの根を味噌漬けにした「山ごぼう」が売られています。

毒草「ヤマゴボウ」「ヨウシュヤマゴボウ」に注意

「山ごぼう」という名で商品が売られているため、植物名のヤマゴボウと勘違いされることがあります。
しかしヤマゴボウは有毒で食用にはなりません。
同様に以下のヨウシュヤマゴボウも全草に毒があります。

 

アザミ類の調理方法

  • 若芽:天ぷら、炒め物、汁の実など
  • 若茎:炒め物、和え物、漬け物、佃煮など
  • 若葉:天ぷら、和え物、汁の実、煮物など
  • 葉軸:煮物、漬け物など
  • 花びら:生食、酢の物、花酒など
  • 根:きんぴら、味噌漬けなど

鮮度が落ちやすいので収穫したものは乾燥させないよう注意します。
できるだけ早くしたごしらえをし、濡れた新聞紙に包んで冷蔵保存しましょう。
ここでは、アザミ類のシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

したごしらえ 
外皮は、葉柄をつかんで下方に引っ張ってむきます。
皮をむいたら5分ほど茹でて水にさらします。
苦味が強い時は水にさらす時間を長く取ります。
根は刻んでから水につけてアク抜きをします。

①天ぷら 
若芽や若葉は生のまま天ぷらに。
気になるトゲは火を通すと気にならなくなります。

②花びらをサラダに 
頭花から花びらを抜き、生のままサラダに散らします。
彩りが良くなり、おいしく食べられます。

③根の漬け物 
根は味噌漬けのほか醤油漬けや塩漬けにも。
細いノアザミの根も味噌漬けにすると山ごぼうのようになります。

 

参考になる本の紹介

この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。

 

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