ネマガリダケ(チシマザサ)の採取と食べ方【食べられる山野草】

ネマガリダケ(チシマザサ)の採取と食べ方【食べられる山野草】

山菜採りで人気の高いネマガリダケ。
本名はチシマザサといいササの仲間で、このタケノコのことをネマガリダケと呼びます。

ここではネマガリダケの、調べたことをまとめました。

ネマガリダケの基本情報

  • ネマガリダケ(根曲竹):イネ科ササ属
  • 別名:チシマザサ、ガッサンダケ、チダケ、ヒメタケ、ヤマタケノコ、アサヒザサなど
  • 自生地:北海道、本州(日本海側と中部以北の山地)
  • 開花時期:数十年に一度
  • 栄養成分:サンコッソウ酸、葉緑素、ビタミンC、K、B1、B2、カルシウムなど
  • 薬用効果:殺菌、防腐作用、胃炎

 

ネマガリダケの特徴


一般に店頭に並ぶタケノコは、普通モウソウチクが多い。
モウソウチクは中国原産で、1736年に九州島津藩に渡来し、各地へ広がりました。
それ以前から栽培されていたハチクやマダケも中国原産と言われます。
ネマガリダケは唯一の日本原産種となります。

高山や山野に生え、主に1000m前後の山地では群落が見られます。
北海道では里山にも自生します。

地下茎を横に伸ばして群落を作り、先端からタケノコを出します。
太さは2cmほどで、高さは2~3mに伸び、分枝した枝先に数枚の葉をつけます。
葉は表面に弱い光沢があり裏は白っぽく、大きさは10~20cmくらい。

花は何十年かに一度群落が一斉に咲き、実を結ぶと全体が枯れます。

名前の由来は、根元が弓状に曲がっているため。

ネマガリダケの食べられる部位と採取時期


5~6月の若芽を採取します。
東北・中部地方では5月ごろ、北海道では5~6月が採取の適期です。
地上から10~15cmくらいの、太くて短いものを探します。

採取は、曲がっている方向と逆向きに倒して折り採ります。
濡れた新聞紙を用意しておき、包んで持ち帰ります。

 

ネマガリダケの採取場所と注意

 

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

深山や、特に日本海側ではブナやミズナラ林の林床などに生えます。
山地では山の斜面を覆い尽くすほどの大群落になることもあります。

採取は、薄暗い竹藪の中を這うようにして行います。
方向を見失いやすいので、地元に詳しい人に同行してもらいましょう。
クマの生息域にも生育するため、一人で入山することは避け、クマよけの鈴やラジオなど音の出るものを身につけて対策します。

また、自然保護の観点から採取禁止地域もあるので確認します。

 

ネマガリダケの調理方法

  • 若芽:生食、おひたし、和え物、炒め物、焼き物、天ぷら、汁の実、タケノコご飯など

アクは弱めで、新鮮なものは生でも食べられます。
一般のたけのこと同様、どんな料理にも合います。
ここでは、ネマガリダケのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

 

したごしらえ 
皮がついたまま米のとぎ汁で茹でて水にさらし、皮をむきます。
その後、塩漬けや瓶詰めによる保存もできます。

①焼き物 
採取したてを味わうなら、焼いて食べるのが一番。
生のまま、皮をつけたまま炭火やコンロに網を乗せて焼きます。
熱いうちに、お好みで味噌や塩、醤油、マヨネーズなどをつけて食べます。

②味噌汁 
したごしらえをしたものをそのままか、食べやすい大きさに切って味噌汁にいれます。
素朴な風味を味わうことができます。

③炒め物 
他の食材などと合わせて炒めます。
塩コショウなどの味つけは旨味を引き出します。

 

気軽にネマガリダケを楽しむ方法

 

「ネマガリダケを食べてみたいけど、山に採りに行けない」

「採取に詳しい知り合いがいないし、クマも怖い」

 

という場合は、通販を利用することもできます。
販売時期は決まっていますが、わざわざ山に行かなくても確実に手に入れることができます。


また、こちらのお店では味噌煮缶を販売しています。
時期を過ぎても楽しむことができます。

参考になる本の紹介

この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。