ジュンサイは池や沼に、睡蓮のように水面に見られる植物。
群生している様子を見ると、これが食べられるとは思いませんでした。
そんなジュンサイの、食用として調べたことをまとめました。
ジュンサイの基本情報
- ジュンサイ(純菜・潤菜):スイレン科ジュンサイ属 多年草
- 別名:ズルンサイ、ジュシャ、ヌナハなど
- 自生地:全国各地
- 開花時期:5~8月
- 栄養成分:β-カロテン、ビタミンK、リン、カルシウム、葉酸など
- 薬用効果:解熱、解毒、下痢、吐き気など
ジュンサイの特徴
里山の古池などに自生します。
生育環境には有機物が豊富で酸性の水質の、水深1m前後の泥土が必要。
環境悪化で野生のものは減少し、各地で絶滅危惧種や絶滅種と指定されています。
栽培種の産地は主に秋田や山形、福島、兵庫など。
地下茎が水底の泥土を這い、初夏になると茎を長く伸ばして水面に葉を浮かべます。
卵形の葉は5~10cmの長さで切れ込みは無く、互生します。
ハスより小さく、水上に出ることはありません。
若い葉には厚いゼラチン状の粘液質のもので包まれています。
開花期には暗紫色の2cmほどの花が水中から顔を出して咲かせます。
ジュンサイの食べられる部位と採取時期
春から夏にかけての、水の中にある粘液質に包まれた巻いた状態の新芽が食用になります。
4~6月ごろの一番芽、6~7月ごろの二番芽、8~9月ごろの三番芽まで採取できますが、一番質の良いものは最初に芽吹く一番芽。
巻いている葉が小さいものほどおいしいようです。
半夏生(7月2日ごろ)を過ぎるとかたくなります。
ジュンサイの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
池や沼などに自生しますが、土地の所有者がいる場合が多いので必ず確認します。
小舟に乗って、浮いている葉を手繰り寄せて巻いている新芽を摘み取ります。
このように採取には準備や手間がかかります。
手間が惜しい場合は市販品を利用しましょう。
ジュンサイの調理方法
- 新芽:生食、酢の物、和え物、汁の実、漬け物、あんかけなど
新鮮なものほどおいしく食べられ、生食もできます。
ここでは、ジュンサイのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
ぬめりが落ちないように軽く水で洗います。
その後はさっと茹でて冷水にさらす程度で大丈夫です。
沢山採取した時は塩漬けで保存できます。
市販品を利用する場合は、水切りをしてから使います。
①酢の物
採りたての新鮮なものであれば、生のまま酢の物にします。
独特の食感と酸味を楽しみましょう。
②和え物
わさび醤油和え、酢味噌和え、おろし和え、辛子和えなどさっぱりと。
③汁の実
味噌汁やとろろ汁、澄まし汁など。
なめらかな口当たりを楽しめます。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。