雑草扱いはもったいない!ハルジオンをおかずの一品に【食べられる山野草】

雑草扱いはもったいない!ハルジオンをおかずの一品に【食べられる山野草】

雑草として身近に見られるものの一つ、ハルジオン。
子どもの頃はビンボウグサなんて呼んでいたのを覚えています。

そんなハルジオンが食べられるとのことで、調べたことをまとめたいと思います。

ハルジオンの基本情報

  • ハルジオン(春紫苑):キク科ムカシヨモギ属 多年草
  • 別名:ハルジョオン、カンザシバナ、ビンボウグサ、ビンボウギクなど
  • 自生地:日本各地(北米原産)
  • 開花時期:4~6月

ハルジオンの特徴

北アメリカ原産で、大正時代に渡来した帰化植物です。
名の由来は、秋に咲くシオン(紫苑)に似ており、春に咲くことからハルジオンと呼ばれるようになりました。
繁殖力が強く、市街地の道端や空き地、郊外の荒地や草原、田んぼのあぜなど日当たりの良い所に自生します。

ロゼット状で越冬し、春には草丈を伸ばし50~100cmほどにもなります。

次々につけるつぼみは茎ごとうつむき、開花時には上を向きます。
花は黄色い花芯をもつ舌状花で、薄桃色や白色。

葉は長楕円形で互生します。

ハルジオンとヒメジョオン

ハルジオンとそっくりな植物でヒメジョオン(姫女菀)があります。
ヒメジオンとも呼ばれ、こちらも同じく北アメリカ原産。
当時は中国から渡来したと思われ、中国産の意味を持つ「女菀」、また、小さいという意味の「姫」がつけられ、ヒメジョオンと呼ばれるようになりました。

ハルジオンとヒメジョオンの主な違いを以下にまとめました。

  • 開花時期が異なる
    ハルジオンは4~6月、ヒメジョオンは6~10月
  • 茎の高さが違う
    ハルジオンは100cmほどまで、ヒメジョオンは150cmにもなる
  • 茎の中が異なる
    ハルジオンの茎の中は空洞、ヒメジョオンは詰まっている

ヒメジョオンもハルジオン同様に食べられますが、ハルジオンの方が味が良いといわれています。

 

ハルジオンのおすすめ採取時期は2~7月

ハルジオンは長期間採取できますが、2月の下旬ごろから開き始める若い葉が柔らかくて良いです。
目安として関東以西では3~7月、東北では4~7月、北海道は5~7月ごろ。
根元から刃物で切り取ります。

開花時期には七分咲きの花とつぼみを採集します。
茎をつけた状態で、指でつまめるかたさのものを摘みます。
完全に開花したものは食感が良くありません。

ハルジオンの採取場所と注意

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

畑のへり、道端、土手、荒地など、どこにでも生えている生命力旺盛な植物です。
車道近くや犬の散歩道などでの採取は避け、きれいな環境の物を採りましょう。

摘んだものはビニール袋に入れてできるだけ早く持ち帰ります。
濡らした新聞紙やキッチンペーパーなどでくるみ、冷蔵庫に入れ早めに使います。

ハルジオンの調理方法

  • 若葉:天ぷら、おひたし、和え物、炒め物、煮物など
  • 花、つぼみ:天ぷら、サラダなど

茹でると春菊に似たキク科特有の香りがあります。
アクが強いので、したごしらえをすることをおすすめします。

ここでは、ハルジオンのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

したごしらえ 
塩を入れた熱湯で7~8分茹で、水に10分ほどさらします。
ヒメジョオンはさらす時間を長めにし、苦味をよく抜きます。

①茎つき花の天ぷら 
したごしらえ不要です。
薄いころもをつけて油で焦がさないように揚げます。
またヒメジョオンを天ぷらにすると風味があります。

②かき揚げ 
葉は厚みが無いので単体で天ぷらにするとパリッと仕上がりません。
他の食材とあわせてかき揚げがおすすめ。

③花やつぼみはサラダに 
花は生食できます。開き過ぎていない花をサラダの飾りに。
つぼみにはかすかな甘みが。

※おすすめにはないハルジオン茶を作ってみた記事はこちら

ハルジオンの薬効

薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。

ハルジオンは薬用効果として、利尿作用があるといわれています。

 

参考になる本の紹介

記事の作成にあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。