植物のオケラの採取と食べ方【食べられる山野草】

食べられる野草・山菜

オケラと検索して出てくるのは虫のオケラ。
虫の方の正式名称は「ケラ」です。
ここで紹介したいのは、京都のオケラ参りでも使われる植物の方のオケラ。

そんなオケラの、調べたことをまとめました。

オケラの基本情報

  • オケラ(朮):キク科オケラ属 多年草
  • 別名:ウケラ、ウワオロシ、カイブシ、カイブシコケラ、オケラッパ、エヤミグサなど
  • 自生地:本州~九州
  • 開花時期:9~10月
  • 栄養成分:精油(胃液の分泌を促すアトラクチロンなど)

 

オケラの特徴


生長すると高さ30cm~1mにもなる多年草で雌雄異株。
根茎は木質で太く芳香があります。
早春に芽吹いたオケラは綿毛を被っていますが、生長するに従って取れていきます。
葉はかたくつやがあり、楕円形で縁に鋭い鋸歯をもち、裏には毛が生えています。
秋に枝の先端に1.5~2cmほどのアザミのような白または淡紅色の頭花をつけます。

古くは『万葉集』に「ウケラ」の名で詠まれており、このウケラがオケラに転訛したといわれています。

同じく食用になる仲間にホソバオケラやオオバナオケラがあります。

 

オケラの食べられる部位と採取時期

春の若芽、若葉が食用になります。
地方別の採取の目安は、関東・関西・中国・四国・九州地方は4月ごろ、中部地方は4~5月ごろ、東北地方は5月ごろ。
綿毛が取れる頃が食べごろ。

薬用としては、根茎を11月ごろに掘り出します。

 

オケラの採取場所と注意


※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

平地から低山地の、日当たりの良い草地や雑木林、アカマツ林などに自生します。

 

オケラの調理方法

  • 若芽、若葉:おひたし、和え物、酢の物、汁の実、天ぷらなど

昔から親しまれ、山菜の中でも美味しいもの。
ここでは、オケラのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

したごしらえ 
軽く茹でて水にさらします。
塩漬けにすると長期で保存できます。

①和え物 
ごま和え、白和え、からし和え、くるみ和えなど。

②天ぷら
生のまま天ぷらに。
野草の定番ですが、よく合います。

③汁の実
柔らかい新芽はしたごしらえせずに汁の具材に。
アクもクセもなくおいしくいただけます。

 

オケラの薬効

薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
秋の終わりに掘り取った根茎を乾燥させたものを、生薬では「白朮(びゃくじゅつ)」と呼び、以下の薬効があるとされています。

  • 健胃、整腸、強壮、腰痛、めまいなど:煎液を食前に服用します。
  • カビの発生防止:室内で根茎を燻す。

気軽にオケラを楽しむ方法

「オケラを庭に植えてみたい」

という方は、苗を購入することもできます。
育て方も記載されていますので、ぜひご覧ください。

参考になる本の紹介

この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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