【京都・某旅館】座敷わらしがいる?宿に泊まってきた③【苦手な人注意・オーブの写真や動画あり】

【京都・某旅館】座敷わらしがいる?宿に泊まってきた③【苦手な人注意・オーブの写真や動画あり】

2月の京都は季節的な見どころが無いので旅行客は多くありません。
この京都に座敷わらしがいるとまことしやかに囁かれる旅館があります。
しかしネットで調べてもそれほど有益な情報が出てこない。
果たして噂は本当なのでしょうか。

一人で利用するにはちょっと贅沢ですが、思い切って泊まってみることにしました。

旅館名を伏せている理由

この記事では旅館名をあえて文字で記載せず検索して引っかからないようにしてあります。
画像を見れば分かりますが。
理由は「座敷わらしがいる」と宣伝していない旅館だからです。
当然、旅館の人からもそういった話は出ませんでした。
ネット上の情報でもいわれなど詳しいことは分かりません。

また世の中にはこういった話が苦手な人もいます。
色々考えて、念のため旅館名は伏せさせていただきました。

 

築100年以上の旅館

 

こちらの旅館は明治42年に建てられました。
元々製薬会社の重役のお屋敷だったものを旅館の創業者の方が譲り受け、旅館としては今年で創業71年だそうです。
初めは家族経営で、お客さんも紹介のみを受け入れる、いわゆる「一見さんお断り」の旅館でした。

お客さんの中には著名人もいました。
「鬼平犯科帳」の監督、 故・中村吉右衛門さんも最長で6か月泊まられたとか。
また脚本家などスタッフも宿泊したり、渡辺謙さんなど俳優さんも食事に来たことがあったそう。

今の女将さんが旅館を継ぐことになった時、 どうしようと中村さんに相談したところ、

「今の時代、一般のお客さんも受け入れるべき。インターネットを使って宣伝した方がいい。」

とのアドバイスを受けたそうです。
何とか周囲に助けられながら宣伝したところ、今までの50年は何だったんだろう、というくらいお客さんが来てくれるようになったとか。
(反対していた姑さんは最初、暫く口を聞いてくれなかったそうですが。)
最近では外国からの訪問客も増え、通訳ができるスタッフを雇い、コロナ前には従業員は15名ほどにもなったそうです。

2005年には母屋と土蔵が登録有形文化財に指定され、ミシュランガイドにも掲載されるほどになりました。

 

一番格式の高いお部屋へ宿泊

 

到着し、案内されたお部屋はフロントのすぐ近くのお部屋。
この旅館で一番格式の高いお部屋で、襖の向こうには日本庭園が見えます。
そして何と床の間に雛人形が飾られているではありませんか。
これは感激です。
旅館のプライベート空間に飾ってあるお雛様は初めてです。
旧暦で飾っているとのことで、節分が過ぎた頃から4月3日まで見ることができます。
雛人形自体はそれほど古くなく、昭和のものと思われます。

 

 

手前の左右にいるのは仕丁(貴族の雑用係)でしょうか?
左側の人が靴を持っている姿が、あまり見ないなと思いました。

 

 

欄間、襖や障子に菊が配されています。
このお部屋しか見ていませんが、各お部屋ごとで違うのだと思います。
何とも贅沢な造り。

 

 

観音開きの引手にはこんなデザインもありました。
これは「立鶴」といいます。
正面(あるいは後ろ姿?)を向いている鶴なのでくちばしがありません。

 

 

お庭はライトアップします

到着した頃、既に日が落ちかけていたのでお庭のライトアップも見られました。
よくあるカラフルでギラギラしたものでなくお庭の雰囲気を大切にした優しい照明です。

 

 

ちなみにとある本で

「貴重な石のコレクションも見どころ」

と書かれていたので、庭石のことかなと若女将さんに聞いてみました。
コレクションという感じではないけれど、と中庭に使われている石が高価で貴重な鞍馬石貴船石などであることを教えてもらいました。

このきれいな丸い石は「物見石」と呼ばれます。

 

 

「沓脱石(くつぬぎいし)」には鞍馬石が使われ、風化で剥げ落ちるものだそうです。

 

 

この立派な灯篭は「奥の院灯篭」。
側面に十二支が彫られており、しかも方角に即しているという凝りよう。

 

 

これらの他に、水に濡れると光る石もあるようです。
そういう石ってよくありますよね、という若女将さんの口ぶり。

 

夕食はちょっとピリ辛のお鍋

こちらの旅館では元々夕食つきのプランを止めていたそうです。
しかしこの情勢の中、外食するのは心配という人も多いです。
そんな状況を鑑みて「お鍋なら」と復活させたところ、お客さんから好評をいただいているとか。

 

 

食事は食堂もありますが、お部屋で食べることもできます。
雛人形を眺めながらのお鍋。
最初は若女将さんが具材を投入してくれました。
お鍋は少しピリ辛。
私は辛い物はあまり得意ではありませんが、このお鍋は丁度良い辛さ。
体がポカポカ温まります。
火が通ったらお好みですりごまや青ネギをかけて食べます。
ふわっと香ばしい香りが楽しめます。

ちなみに野菜が足りなかったらしく追加されそうになりましたが、そんなに沢山食べられないのでこれで良いですと断りました。
実際食べ終わる頃にはお腹パンパンになりました。
もう少しお腹に余裕があったらおじやを作っても美味しかったかもしれません。

大皿に乗っている赤いものは椿です。
椿は食べられる花だけど・・・多分食べたらびっくりされるので残しました。

 

 

デザートは別腹、と思いつつも結構必死で食べました。
さっぱりして美味しかった。

 

 

お風呂は香り高い木風呂

 

浴室はそれほど広くなく、時間制の貸切で利用します。
基本的に1グループ30分だそうですが、私が宿泊した時はお客さんがもう一人だけ、しかも遅い時間に入るとのことで時間を気にしなくて済みました。
お風呂には高野槙(こうやまき)が使われ、とても癒される香り。

シャワーは2つあります。
1つには「ミラブル」という高級シャワーヘッドがついており、ミスト状と通常シャワーの切り替えができます。

湯温は一般的な42度で設定してもなぜかぬるめ。風邪ひいちゃう。
なので高めに設定してシャワーを使いました。

 

 

オーブが撮影できました

私は普段、写真撮影はスマホのカメラ機能を使っています。
松林閣でオーブを撮影した時は、動画では映っても写真が撮れない。
これはカメラの性能のせいかも?と考えました。

そこで今回、試しに昔使っていたコンパクトデジタルカメラを持ってきました。
これは過去にオーブを撮影した実績のあるカメラです。
古い型なので電池の正規品が販売終了になっており、あっという間に電池切れを起こす代物。
ここぞという時のみに使用します。
早速、部屋の中を適当に撮影してみました。

あ、やはり写りますね!

 

 

就寝時、今度はスマホで松林閣でのやり方と同じ方法で動画撮影してみました。
おぉ、なんかひゅんひゅん飛んでます。

 

 

14秒あたりで一瞬ピントが合う白い物を見ると、羽毛?ゴミのようにも見えます。
(布団が羽毛布団だったかは覚えていません。)
でもこんな風に動くものかなとも思うし、何でしょう。

 

 

タブレットの誤作動?

お腹いっぱいだったせいかなかなか寝付けず、布団の中でウダウダしていた夜中。
0:40頃、突然聴きなれない電子音(通知音?)が3回鳴りました。
自分のスマホじゃないし何だろう?
音源を探すと、旅館備え付けのタブレット(内線や外線などが使える)が暗闇の中で光っていました。

布団から這い出てタブレットを手に取ると、何か文字が表示されていたような気がしましたが、すぐに消え画面が暗くなってしまいました。
もう一度点けてみても良く分からない。

うーん、どうしたものでしょうかね。

この時間にフロントから内線が入るとは思えない。
もし緊急で何かあれば多分直接部屋に来るはず。
とりあえず放置。

朝食の時に、女将さんに

「夜中にタブレットが鳴ったのですが、フロントからお電話いただきましたか?」

と聞いたところ、

「私、アナログ人間なもので。触ってないし分からない」

とのことでした。
何かのアプリの更新があって、誤って通知音が鳴る設定になっていたのでしょうか。
それとも・・・?
電子機器に強そうな若女将さんがおられなかったので確認できず。

 

 

関係があるか不明ですが、寝る前に一回だけこのタブレットを使ったんですよね。
フロントにかけて「部屋の電気の消し方が分からない」と。
照明のリモコンが行方不明で。
翌朝、部屋の戸棚に仕舞われていたことが判明しました。
宿泊客が少ないから普段は片付けてあったのかも。

 

朝食は品数が多い

 

朝食もお部屋でいただきました。
朝からこんなに沢山おかずを用意していただいて。
ホタテの稚貝の味噌汁が美味しかった。
梅干しはまさに良い塩梅。

 

感染症対策について

こちらの旅館の感染症対策は

  • 入口に消毒液の設置と検温
  • 従業員は二重マスク(布マスク+不織布マスク)
  • 洗面タオル、バスタオルは使用場所に積んであり、使用後は都度回収ボックスに入れる
  • トイレはペーパータオル

といった基本的なものでした。
よくある旅館の名入りタオルはありません。
食事は食堂かお部屋で、私はお部屋で食べましたが、もう一人の宿泊者は食堂で摂ってました。

 

また訪れたくなる旅館でした

古都の歴史のある旅館。
きっと旅館の人もプライド高いんだろうな、と行く前までは少し構えていました。
けれどそんなことは全く無く、むしろ人間味にあふれていました。
もし完璧というくらい接客やサービスが優れていたらきっと落ち着かなかったかもしれません。

朝食の時に女将さんから、こんな時に泊まりに来てくれて有難かったと言われました。
今の宿泊状況は通常の10分の1くらいだそうです。
従業員には休んでもらっており、私が滞在時に見かけたのは女将さん、若女将さん、朝の清掃の女性のみでした。

チェックアウトしてお見送りの時も、途中で振り返るとお辞儀をしてくれて姿が見えなくなるまでずーっと見守ってくれていました。
とても温かい人達でした。

最後に、旅館内の素敵なところを掲載します。
座敷わらしや不思議な体験に遭遇できなくても非日常を感じたりと、古都のゆったりとしたひと時を過ごせることと思います。

 

 

参考図書