田んぼのあぜ道などで存在感を見せる雑草。
葉はまるで野菜のようにも見えるギシギシ。
そんなギシギシが食べられるとのことで、調べたことをまとめました。
ギシギシの基本情報
- ギシギシ(羊蹄根):タデ科ギシギシ属 多年草
- 別名:ウシグサ、ウマスイバ、ウマスカンポ、オカジュンサイ、ヒコヒコ、シノネなど多数
- 自生地:北海道~九州
- 開花期:5~8月
- 薬用効果:乾燥させた根が緩下薬になる
ギシギシの特徴
土手や田んぼのあぜ、湿った場所を好むギシギシ。
地下に太くてかたい根茎があり、水脈に沿って群生しやすいので、地下水位を知る指標植物になっています。
生命力が強く、巨大なロゼット状で越冬し、早春に長楕円形の根出葉を出します。
夏にかけて高さ1m以上にもなる太い茎を伸ばし、花びらの無い花穂をつけます。
9月ごろには花は緑から褐色になり、実をぎっしりつけます。
この花穂から実をしごいて取る時の音がギシギシと聞こえるということで、この名がついたと言われています。
似た仲間に、スイバがあります。
スイバも食用になりますが、酸味が強く、葉はよく見ると細長い三角形であるなど違いがあります。
またギシギシに比べるとやや小柄でもあります。
ギシギシの食べられる部位と採取時期
新芽や茎葉を採取します。
関西以西では1~2月、関東では1~3月、中部・東北では2~3月、北海道では2~4月が適期です。
山地は生長が遅いので、夏ごろまで採取できます。
薬用としては、開花期に根茎を含む全草を抜き取ります。
ギシギシの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
湿り気のある場所を好みます。
田んぼのあぜ、道端、野原、土手などに自生します。
株の中心にある開ききる前の新芽を採取します。
透明なぬめりのある液体に包まれているので、刃物で切り取ります。
ギシギシの調理方法
ギシギシはシュウ酸を含むので、多食常食は避けましょう。
また緩下作用があるので妊娠中の方にも向きません。
- 新芽、茎葉:和え物、酢の物、漬け物、天ぷら、煮びたし、汁の実など
- 種子:ご飯に混ぜる、団子
アクは弱めですが、したごしらえをすると食べやすくなります。
ギシギシの強い酸味とぬめりのある独特の味を楽しめる、シンプルな調理法を紹介します。
一つまみの塩か重曹を入れた熱湯で軽く茹でた後、10分ほど水にさらします。
乾燥させると保存食にもなります。
使う時は水から茹で戻します。
漬け物にする場合はしたごしらえの必要はありません。
①酢の物
元々酸味があるので、酢の物には違和感なく合います。
三杯酢などで。
②天ぷら
生のまま天ぷらにし、塩で食べるとおいしくいただけます。
③生食
ぬめりのある新芽を潰して納豆と混ぜます。
ただし生食は少量だけにしましょう。
ギシギシの薬用効果
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
10月ごろに地中の太くてかたい根を掘り出し、日干しにしたものを生薬では羊蹄根(ようていこん)と呼ばれ、以下の薬効があるとされています。
- 便秘:羊蹄根を煎じて服用します。
- 水虫、いんきん、たむし:根をすりおろして患部に塗布します。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。