春先の新芽が印象的なアカメガシワ。
伊勢神宮ではその葉に食べ物をのせ、神へお供えをしたそう。
そんなアカメガシワが食べられるとのことで、調べたことをまとめてみました。
アカメガシワの基本情報
- アカメガシワ(赤目柏):トウダイグサ科アカメガシワ属 落葉高木
- 別名:ゴサイバ(御菜葉)、サイモリバ(菜盛葉)、ミソモリバ(味噌盛葉)など
- 自生地:本州~沖縄
- 開花時期:6月ごろ
アカメガシワの特徴
山地に自生する雌雄異株の落葉樹。
空地などにも真っ先に生えるパイオニア植物の一種で、生長は早い。
高さは10mにも及ぶことも。
春の芽ぶきの若葉は赤みを帯び、生長すると緑色になります。
葉の基部には蜜腺があります。
6月ごろに黄色い小花が開花します。
秋には雌株に柔らかいトゲのついた果実ができ、熟すと3~4mmの黒い種子が露出します。
葉や種子は、草木染めの赤色の原料として使われます。
10~11月、紅葉期を迎えます。
普通は黄色に染まりますが、葉柄や葉脈が赤みがかることも多く美しい。
昔は葉で食べ物を盛ったり包んだりしていました。
柏の葉のように使われていたことから、アカメガシワと呼ばれるようになった説があります。
(カシワの仲間ではありません。)
また、ゴサイバ(御菜葉)やサイモリバ(菜盛葉)などの別名も、お皿として使われていたことの名残で呼ばれています。
しかし器だけでなく、昔は凶作時の食糧にもなりました。
似た樹木にアブラギリがあります。
こちらは有毒なので、食用には使いません。
アカメガシワの食べられる部位と採取時期
4~6月に新芽を摘みます。
また、薬用としては夏に葉や樹皮を採取します。
アカメガシワの採取場所
山地の雑木林や川辺などに見られます。
日の良く当たる場所を好み、他の植物の陰になると枯れてしまいます。
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
アカメガシワの調理方法
- 新芽:天ぷら、和え物、炒め物、炊き込みご飯、お茶など
- 葉、樹皮:薬
ここでは、アカメガシワのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
少し癖がありますが、したごしらえをすると気にならなくなります。
したごしらえ
塩ひとつまみ入れた熱湯で茹でて一晩水にさらします。
①天ぷら
赤色の残っている新芽は、生のまま天ぷらに。
②炒め物
したごしらえしたものを炒め物に。
③炊き込みご飯
さっと茹でた新芽を刻み、酒や醤油、みりんなどと混ぜて炊き込みます。
④お茶
アカメガシワの葉を、ササやチガヤなどと炒り、ブレンド茶にします。
アカメガシワの薬効
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
アカメガシワの葉や樹皮は明治以前には腫れ物の薬として使われていました。
多量の葉を煎じて服用、すり潰して患部に塗布、また乾燥葉を浴湯料にするなど、さまざまな方法で用いました。
また、胃の腫れ物にも効くのではないかと臨床試験を進めた結果、胃潰瘍にも効果があることが分かりました。
ただしストレスによる潰瘍や疾患には効果が無いことも判明しています。
参考になる本の紹介
この記事を作成するにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。