【夏旅】一人旅で見つけた八丈島を楽しむ13個の豆知識【東京の離島】

【夏旅】一人旅で見つけた八丈島を楽しむ13個の豆知識【東京の離島】

先日初めて八丈島へ一人旅をしました。
土日の一泊二日の滞在で地元の人に聞いた話、実体験から一人旅でも八丈島を楽しめる豆知識的なことをまとめました。

※この記事では海関係と温泉の内容はありません。

計画倒れも受け入れよう

八丈島へ行こうと決めた時から、かなり細かく計画を立てました。
特に一人旅で、レンタカーを使わず公共交通機関のみの移動。
本数の少ないバスの時刻表とにらめっこしてスケジュールを組みました。
(「公共交通機関のみで八丈島一人旅」という記事を書こうと構成まで考えていました。)

いざ八丈島に降り立つと、のっけからスケジュールを覆されることが多々ありました
それは悪い意味ではなく地元の人に助けられて。
例えば徒歩移動の予定を入れていましたが、猛暑の中、実際に急坂を目にすると、自分の計画の甘さをひしひしと感じました

一人旅を孤独に過ごすのも良いですが、島に興味を持って地元の人に姿勢を示すと、色々なアドバイスや助けを得られることができます。
自分の考えた計画よりも効率的・有益な話には耳を傾けてみましょう

計画をあきらめたら予定には無かったポットホールや南原千畳敷などを見ることができました。

 

 

町営バスを有効利用しよう

一人旅でレンタカーも借りないとなるとお世話になるのが町営バス。
八丈島のバスには3つの路線があります。
坂上(末吉)行き、その反対の坂下(神湊)行き、空港を回る循環路線。
それほど難しくはありませんが目的地によっては乗り換えが必要なことがあるので、運転手さんに聞いてみると良いでしょう。
運賃は前払い制なので確認しやすいです。

紙の時刻表は観光案内所や宿泊施設などにも置いてあります。
スマホでHPから確認することもできますが、紙なら印をつけたりできるので便利。
バスの本数は少ないので必ずチェックしましょう。

2日間バス乗り放題・温泉入り放題 BU・S・PA(バスパ)」というお得なチケットもバス車内で購入することができます。
モバイルチケットもあります。

公式HP:
八丈町営バス

運転手さんも気さくな方ばかりでした。

 

島の天気には注意

八丈島は大きく南北に地域が分かれています。
小さい島ながらその植生も様子が異なるのが面白いところ。

天気も一日の中で急に変わることがあります
雨具はお守り代わりに持ち歩きましょう。
私も滞在中、雨具を出すほどではありませんでしたが小雨がパラつくことがありました。
八丈島の人々は布団を干したら自宅を離れないそうです。

八丈島の飛行機はよく欠航することが知られています
梅雨時には視界不良、台風シーズンは強風、また南風が強いと欠航します。
それでも飛行機の羽の先端が上に向く形に変更になってからは、ずいぶんマシになったそうです。

 

 

八丈島で注意する虫

夏に悩まされるのが
八丈島の蚊は特に強烈で、虫よけ対策は必須です。
私はうっかり虫よけスプレーをするのを忘れ、気づいたら手の甲に蚊が止まっていました。
刺されたと同時にジンジンとした刺激、痒みが走ります
すぐに手持ちのムヒを塗りましたが、30分以内に石鹸で洗うと痒みが治まると聞いたことがあり、公衆トイレへ駆け込み洗面台に置いてあったハンドソープでしっかりと洗いました。
その甲斐あって、その後痒みに悩まされることはありませんでした。

夏場に多いのは蚊だけではありません。
地元の人の運転する車の後部座席に座って窓を開けていたら、顔面にカナブンが直撃しました。
勢いよくぶつかる甲虫に痛い思いをしつつ、すぐに車外へ追い出しました。
カナブンは刺さないとはいえ、激しく音を立てるのであまり近づきたくないものです。

ちなみに夏場には木に見えない糸でぶら下がる小さなイモムシもよく見られます。
木陰で涼みたい時には頭上に気を付けましょう。

また秋~冬にかけては八丈島ではヤスデが多くみられるそうです。
元々八丈島には在来のヤスデがいますが、今では外来のヤスデが幅をきかせているとのこと。
苦手な人は注意。

 

エコツアーを利用してみる

一人の行動では観光に限界がある場合があります。
「八丈島に興味はあるけど何を見よう?」と悩んだら地元の人が主催するエコツアーも検討してみましょう。

私は今回、「ヘゴの森ツアー」へ参加しました。

公式HP:
八丈島観光レクリエーション研究会

大変人気のツアーで、見る場所も私有地のため場所は非公開、許可が無いと行くことができない貴重な体験。
ちなみに私は日頃の運動不足でアップダウンの激しい場所を巡るのは及び腰。
なので軽めのコースを選びました。

それでも、まるでジャングルのような景色が見られます。
※蚊などの虫がいるので長袖長ズボン着用、足元はスニーカーで、虫除けを使いましょう。

 

 

シダ植物のヘゴ。
「ヘゴって食べられるんですか?」とガイドさんに聞いたところ、「昔はすり潰して食べていたようですが今は食べません」とのことでした。
ガイドさんは八丈島のことも色々教えてくれるので、一人旅での質問もしやすいですよ。
予約の際はお早めに。

 

 

ヘゴの森には鳥居があります。
この鳥居の先から左手斜面を見上げると私有地の持ち主が大切にしている御神木があります。
他の木々に紛れているので一見どれが御神木かは分かりません。
撮影禁止につきお見せできませんが、種類はモチノキだそうです。
一般的に見られる形とは異なり根元から太く、何本も生えているように見えます。
分け入るには厳しい場所にあるため所有者の方も一度も御神木の元へ行ったことが無いとか。

何とも神秘的です。

 

裏見ヶ滝もオススメスポット

「ヘゴの森ツアー」の予約が取れなくても、裏見ヶ滝でヘゴを見ることができます。
バス停「中田商店前」から下り坂を進みます。
案内板に従って行くことができます。
裏見ヶ滝への入り口に入る前の道路からでもヘゴを見ることができます。

 

 

裏見ヶ滝は小さな滝ですが、裏側を通ることができます。
写真で見るよりも意外と癒される場所で、行ってよかったと思いました。

 

 

裏見ヶ滝の近くには裏見ヶ滝温泉もありますが2022年7月現在休業中でした。

 

八丈ビジターセンターも見どころ

八丈植物公園内のビジターセンターには、光るキノコ(ヤコウタケ)が展示されています。
ケースに入った培養されているものですが、滅多に見られるものではありません。
ぜひ確かめてみましょう。

 

 

また八丈植物公園内には、キョンが飼育されています。
キョンは台湾原産の小型の鹿の仲間。
オスには角と牙が生えており、メスにはそれらがありません。
現在飼育されているキョンは、逃げ出して大繁殖しないよう手術をしているそうです。

 

 

優婆夷宝明神社で御朱印を貰う方法

 

八丈島で唯一の有人の神社、優婆夷宝明神社(うばいほうめいじんじゃ)
御朱印を集めている人にとっては是非とも足を運びたくなる場所ですね。
しかしネット上には「訪問したら社務所が閉まっていた」「連絡がつかなかった」という人が。
有人とは言っても限られた時間のみで宮司さんに会うのにハードルが高い印象があります。

確実に御朱印を貰いたいなら、訪問する前の日に電話で確認をしましょう
私は前日の夕方5時頃に、HPに公開している宮司さん宅の電話番号にかけました。
少し長い呼び出し音の後に、宮司さんの家族らしき女性が出てくれました。

話によると、毎朝9時頃にはお神酒の奉納があるためいらっしゃるそうです。
「バスの時間の都合で10時前に伺っても良いですか?」と聞いたところ、「いらっしゃることが分かっていれば居るようにします」とおっしゃってくれました。
念のためと名前も聞かれました。
※最寄りのバス停は「大里」になります。

宮司さんは優婆夷宝明神社だけでなく島中の神社もお一人で管理しています
しかし神社運営だけでは生活が成り立たず副業で花の栽培もしており、今ではそちらが本業のように逆転してしまったそうです。
なのでどうしても神社の対応に割く時間がありません。

このような事情から参拝者の都合に合わせることが難しい状況になっています。
連絡をしたとしてもお昼や午後の時間は応じられないようです。

御朱印に関しては、他所の神社ではスタンプを置いているところもありますが、宮司さんは「護符と同じ」との考えで、きちんと参拝された方の御朱印帳に書くようにしているそうです。書き置きもありません。
かなり気持ちの入った御朱印ですね。

ちなみに御朱印だけでなくお守りも頒布しています。
私は御朱印は集めていないのでお守りを授かりました。色違いで青もあり。
(ご利益を聞くのを忘れてしまいました。他には交通安全お守り、絵馬、神棚用のお札がありました。)

 

 

日々、お一人で大変な仕事をされているので、御朱印を貰えたらご縁に感謝しましょう。
聞くところによると今後、宮司さんの息子さんが神社を継ぐことになったそうです。
八丈島では今、各所で世代交代が起きていると耳にしました。
優婆夷宝明神社もこれからが楽しみです。

公式HP:
八丈島、青ヶ島の総鎮守 優婆夷宝明神社

 

八丈島の不思議な道

八丈島をぐるっと囲む八丈一周道路のとある場所には、目の錯覚を起こす場所があります。
ピンポイントで示すことができませんが、末吉地区にある名古の展望台から東へ、あさぬま商店までの間のあたりです。
上り坂に見えるのに実際には下り坂という場所があります。
地元の人の車で検証したところ、道の途中でエンジンを切るとどう見ても上り坂なのに前に進むのです

下車しなかったのでそれ以上のことは分かりません。
深く調べなかったのが悔やまれます。
普通に走っていると気づく人がいないのか、ネットで検索してもこの情報は見つかりませんでした。
一人旅でサイクリングする人は確認してみてください。

 

アシタバと島寿司

八丈島を訪れたら名産品のアシタバと島寿司は是非とも試してみたい。
しかし地元の人にアシタバのことを尋ねると、うーん、という顔をされました。
この夏の時期のアシタバは葉が硬く、スーパーなどでも見られないのです。

行列のできるお店「名代 一休庵」で冷やしたぬき蕎麦を食べました。
アシタバを練りこんだ細麺の蕎麦と、アシタバの天ぷらがついています。
暑さで火照った体に染みわたりとても美味しかったのですが、アシタバの味はというと正直良く分かりません。

 

 

できればアシタバ素材の味を感じたかった。
ブログ内アシタバの記事はこちら

そしてもう一方の島寿司。
郷土料理のお店では島寿司を食べることができます。
しかしスーパーで売られているものも遜色ない味だとか。

八丈ストアとスーパーあさぬまで買いました。
欲張って2種類買ってしまいましたが、正直一食分としては量が多かった。
オオヒメの方は半分残して冷蔵庫に保管、翌朝食べました。

 

 

メダイの方は5貫入っていますが、1貫だけ海苔でした。
甘くて美味しい。

島寿司は空港でも買えますが、すぐ売り切れてしまいます。
予約すれば確実に購入することができます。

 

八丈島で見つけた素敵な喫茶店

八丈島にはコンビニも無ければ100円ショップはキャンドゥ1軒のみ。
しかし他の伊豆七島に比べれば圧倒的にお店の数は多いとか。
そんな八丈島には、お洒落なカフェもちらほら見つかります。

真夏の炎天下の中、カフェで過ごす時間は安らぎのひと時になります。
ここでは私が実際に訪問したお店を紹介します。

・古民家喫茶中之郷

 

八丈島の南側、中之郷地区にある喫茶店の中では非常に評判の良いお店。
私は裏見ヶ滝観光後に訪問しました。
美しい庭を眺められる開放的な空間に、いつまでも留まりたくなります。
アシタバを使ったシナモンロールとスコーンをいただきました。

玉石垣と古い建物は、ご先祖様から引き継いだものだそう。
沖縄とも違う南の島特有の建物は、やはり一見の価値があります。
お店自体はHPも無く宣伝活動はしていませんが、口コミでお客さんが増えていき、とても有難いとのこと。

 

 

・カシェート

「護神」バス停近くのカフェが休みだったため、慌ててGoogleMapで探して見つけたお店。
マップを見ながら歩かなければ決して気づくことができません。
向かう途中に木陰で涼んでいる地元のおじいさんに話しかけられましたが、「そんな店あったかな?」と言われるくらい認知度の低いお店でした。

 

 

外観は普通の民家ですが、思い切って入ってみるとそこは異世界。
外の明るさも相まって部屋の暗さが際立ちます。
暗い店内の窓から見える外の景色も素敵です。

客は私一人だけでしたが、何とも心地の良い空間。
店内には女性向けの生活に関する雑誌や、猫の本などが沢山ありました。
こちらでは飲み物だけ注文し、アコーディオンのBGMを聴きながら物思いにふけることができました。

 

 

※八丈島の飲食店は、ランチ営業の後14時頃から一旦お店を閉めるところが多いそうです。
営業時間はよく確認しましょう。

 

八丈島のお土産を選ぶポイント

八丈島でお土産を買うなら、八丈島産のものを選びたいものです。
島のお土産屋さんには非常に沢山の種類のお土産が並んでいます。

・アシタバのこと

名産品であるアシタバを使った食べものは特に種類が多く、お茶、お菓子、麺類、色々な加工品があります。

ここで気を付けたいのが、「製造者」と「販売者」は異なるということ。
特にアシタバの加工品はほとんどが島外で作られています
というのも、八丈島で生産設備を整えることが難しいという事情があります
結局アシタバの粉末を持ち出し島外の工場で加工してもらうのが手っ取り早いのです。

「別に気にしないよ」という人もいると思いますが、やはり「情緒が無い」と感じる人もいるかもしれません。
純粋な八丈島産を買うなら、アシタバそのものか、アシタバの粉末であれば間違いありません。

空港の売店には調理用の生アシタバが300~400円で売られていました。

 

 

・オススメお菓子

アシタバの他にオススメしたいお菓子は、黄八丈サブレ
こちらは「八丈民芸やました」で製造している正真正銘の八丈島産。
着物の形をしたサブレで、大きいサイズと小さいサイズがあります。
個人的には小さい方が食べやすいかな、と思います。

通販でも購入することができます。

 

・黄八丈のこと

「八丈民芸やました」では伝統工芸品である黄八丈手織り体験ができます。
短時間のコースなので小さな敷物になりますが、注意すべきは黄八丈は酸に弱い点
せっかく作った織物にレモン汁なんかが垂れてしまうと変色してしまうそう。
扱いには気を付けましょう。

 

日曜日に八丈島空港へ向かう手段

レンタカーを利用する人なら心配ないのですが、運転しない人が考えなければならないのが日曜日の八丈島空港への足。
というのも、八丈島空港へ向かう循環バスが日曜日は運休してしまうのです

私は最初、一番近そうなバス停から歩くことを考えていました。
(タクシーを使うのもありですが高い。)
しかし宿泊施設に相談したところ、空港までの送迎を行っているとのこと。
HPなどには記載が無かったので、サプライズ的に嬉しかった。

もしかしたら他のホテルや宿泊施設でも対応しているかもしれません。
確認することをオススメします。

※日曜日に八丈島に到着して空港から移動する際も、宿泊施設に送迎サービスが無いか確認すると良さそうです。

 

まだまだ楽しめる八丈島

今回は12の豆知識を紹介しました。
たった一泊二日の旅行でも満足度の高い時間を過ごせました。

しかしやり残したことも沢山あります。
泊まった宿泊施設が底土海水浴場に近かったのに実際には行かなかったし、夜なら星空が見られただろうけど疲れて早々に寝てしまいました。
温泉にも入らず、八丈富士や麓の牧場にも行きませんでした。
歴史民俗資料館に行けば八丈島の伝説など詳しく知ることができたかもしれません。

次はぜひアシタバの美味しい春ごろに行ってみたい。