繁殖力が旺盛で、庭に生えると厄介な雑草。
実は民間薬として使われる有用植物。
そんなカキドオシの、調べたことをまとめました。
カキドオシの基本情報
- カキドオシ(垣通):シソ科カキドオシ属 多年草
- 別名:カントリソウ、カイドトオリ、ツルハッカ、バテイソウ、レンセンソウなど
- 自生地:北海道~九州
- 開花時期:4~5月
- 栄養成分:ウルソール酸、硝酸カリ、精油分(リモーネン)など
カキドオシの特徴
道端やヤブなど、見かける機会の多いつる性の多年草。
春に淡紫色の小花を咲かせます。
葉はほぼ円形で縁に丸みのある鋸歯があります。
花期が終わると、直立していた茎はつる状になり、地面を這うようになります。
このつるは1mほどに伸び、垣根を越えてるえることから、垣根通し→垣通しと呼ばれるようになりました。
生薬名の連銭草(れんせんそう)は、葉の丸い形を銭に見立て、つるに連なっていることから。
葉や茎にハーブのようなツンとした芳香があります。
カキドオシの食べられる部位と採取時期
3~6月ごろの花をつけた状態が、一番有効成分を豊富に含んでいます。
地方別の採取適期は、九州は3~4月、関東~四国は4月ごろ、東北は5月ごろ、北海道は6月ごろ。
花をつけた茎を、若い葉とともに7~8cmほどの長さで摘み取ります。
お茶として使う場合は夏まで採取できます。
カキドオシの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
土手や道端、野原、畑地、ヤブなどのやや湿り気のある場所に群生します。
カキドオシの調理方法
- 茎葉、花:おひたし、和え物、炒め物、天ぷら、サラダ、お茶など
独特の香りはありますが、アクはあまりなく、生でも使えます。
ここでは、カキドオシのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
塩を一つまみ入れた熱湯で5分ほど茹で、冷水に10分さらします。
①おひたし
茹でると香りが消え、シャリシャリとした歯触りに。
②天ぷら
生のまま、花をつけたまま衣をつけて天ぷらに。
花の色を生かして衣は薄めにつけ、低めの温度で揚げると香りも良くなります。
③カキドオシ茶
花が終わった後のつると葉は陰干しにしてお茶に。
ほのかな香りが楽しめます。
残ったものは缶などに入れて保管できます。
カキドオシの薬効
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
開花期に地上部全草を採取し陰干ししたものを、生薬では「連銭草(れんせんそう)」と呼ばれています。
また別名のカントリソウ(疳取草)は、こどもの疳の虫に効果があるということから。
- 疳の虫、糖尿病、高血圧:連銭草を煎じて服用します。
- 湿疹、あせも:連銭草を浴湯料として使用します。
- 魚の食あたり:生葉汁か乾燥粉末を服用します。
気軽にカキドオシを楽しむ方法
「カキドオシ茶に興味があるけど、採取は面倒」
「採取できる環境が無い」
という方は、通販でお茶を購入することができます。
国産で安心して試すことができます。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。