以前、アマドコロの記事を書きました。
その中で、同じく食用になる仲間のナルコユリにも少し触れました。
今回はナルコユリをメインに、調べたことをまとめてみました。
ナルコユリの基本情報
- ナルコユリ(鳴子百合):クサスギカズラ科(旧ユリ科)ナルコユリ属 多年草
- 別名:黄孫(おうそん)、黄獨(おうだく)、救荒草(きゅうこうそう)など
- 生地:本州~九州
- 開花時期:4~6月
ナルコユリの特徴
山地に自生しますが、栽培もされます。
根茎は白色で太く横に伸び、ところどころに年節という節があります。
茎は少し傾き葉は披針形で互生し、春の開花期に葉のわきから花柄を伸ばします。
先端に2cmほどの緑白色の花をつけます。
この様子が、鳥を追い払う鳴子のように見えることから、ナルコユリと呼ばれるようになりました。
近縁種にオオナルコユリ、ミヤマナルコユリ、アマドコロ、オオアマドコロ、ユキザサがあります。
これらはいずれも食用になります。
特に北海道にも分布するオオナルコユリは滅多に見られない高級山菜。
ナルコユリと似ているアマドコロ類との違いは花と茎で見分けられます。
ナルコユリは一つの花柄から3個以上ずつつきますが、アマドコロ類は1~2個ずつ下げています。
茎は、ナルコユリは丸い茎で、アマドコロ類は稜が立っています。
ナルコユリに似た毒草ホウチャクソウ
有毒のホウチャクソウはイヌサフラン科(旧ユリ科)チゴユリ属の多年草。
草丈は30~60cmになり、春には筒形の淡緑色の花を垂れ下げます。
新芽がナルコユリとそっくりなので注意が必要。
ナルコユリ類は新芽が赤いものが多く、ホウチャクソウは緑色が多くあります。
またナルコユリ類やアマドコロ類と違い太い根茎がないものがホウチャクソウです。
誤食すると嘔吐、下痢、呼吸困難などを引き起こします。
味は吐き出してしまうほどまずいようです。
ナルコユリの食べられる部位と採取時期
4~6月に新芽や根茎を採取します。
また、花も食用になります。
根茎は薬用として採取する場合は冬の間に掘り出します。
ナルコユリの採取場所
野生のものは山地の日当たりの良い林や草地に生育しています。
似た環境でホウチャクソウも自生しますので、よく確認して採取します。
オオナルコユリの場合、数が少ないので採り過ぎないようにします。
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
ナルコユリの調理方法
- 新芽:和え物、汁の実、おひたし、炒め物、天ぷらなど
- 根茎:生食、とろろ、炒め物、天ぷら、佃煮など
- つぼみ、花:おひたし、酢の物など
- 葉:お茶など
新芽は傷みやすいので、採取したその日のうちに利用しましょう。
ここでは、ナルコユリのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
塩を一つまみ入れた熱湯で茹でます。
①生食
根茎の皮をはいで短冊状に切って醤油で食べます。
また、すりおろすととろろのようになり、ご飯に合います。
②おひたし
若芽はしたごしらえをし、食べやすい大きさに切りっておひたしに。
マヨネーズが合います。
③天ぷら
新芽やつぼみ、花は生のまま天ぷらで食べることもできます。
④お茶
ナルコユリの葉を乾燥して炒り、お茶の代わりとして飲むと元気が出ます。
ナルコユリの薬効
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
ナルコユリの根茎を乾燥させたものを生薬では黄精(おうせい)と呼びますが、元々は中国の別の植物で、代用として使われます。
以下のような薬効があるといわれています。
- 滋養強壮、血糖値や血圧の降下:根茎を煎じて服用する。
- 通風、打ち身、足の痛みに:根茎をすりおろして小麦粉と練り合わせ、患部に貼ります。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。