ここ数カ月、我が家ではマツの葉のお茶をよく飲んでいます。
葉には爽やかな香りがあり、しっかり煮出すのでお茶にするには少し時間はかかりますが、味は飲みやすく暑い時期に冷やして飲むと何杯でも飲めてしまいます。
ここでは特に体に良いとされるアカマツの食用として調べたことをまとめました。
アカマツの基本情報
- アカマツ:マツ科マツ属 常緑針葉高木
- 別名:メマツ(女松)
- 自生地:日本各地
- 開花期:4~5月
- 成分:クエルセチン、ビタミンA、C、精油など
- 薬用効果:中風、高血圧予防、リウマチ、脚気など
アカマツの特徴
山野の日当たりの良い場所に見られる針葉樹。
中国にはシナマツがあり、これがアカマツに近い種類。
幹が赤みを帯びていることからアカマツと呼ばれ、近縁種のクロマツと区別されます。
幹の表面は鱗状ではがれやすく、傷をつけると粘り気のある樹液を出します。
これが松ヤニです。
葉は針状で2本ずつ生え、この姿が夫婦和合に見立てられます。
春の開花期には枝の基部に淡黄色の雄花、先端に赤紫色の雌花をつけます。
開花してから翌年の秋につける果実が松ぼっくり。
これが乾燥することにより開き、種子が飛び出します。
アカマツ林はマツタケ栽培に利用されます。
アカマツの食べられる部位と採取時期
針のような葉が利用でき一年中採取できます。
葉にはさわやかな芳香があります。
開花前のつぼみの中の花粉も利用できます。
飛んでしまう前の黄色く膨らんだものを刃物で切り取ります。
また若い松ぼっくりも食用になります。
松傘が開く前のものを採取します。
クロマツやゴヨウマツも同様に利用できます。
クロマツはアカマツと比べて葉はかたく、先端に触れると痛いです。
マツの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
アカマツは山地など内陸に多く、クロマツは海岸沿いに見られます。
しかし宮城県の松島では海岸沿いにアカマツが多く見られます。
生命力は強く、観賞用として庭木にされることもあります。
近年はマツノザイセンチュウという害虫によるマツ枯れ病が発生し、野生種は減少しています。
マツの調理方法
- 若葉:松葉酒、松葉茶
- 花粉:花粉団子、花粉酒
- 松ぼっくり:ジャムなど
マツは部位によって調理方法が分かれます。
ここでは、マツのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
葉は水洗いして利用します。
花粉は花穂を乾燥させて花粉を叩いて落とし、ふるいを使ってゴミを除きます。
松ぼっくりは中に虫が入り込んでいることがあるので、水に浸して置きます。
①松葉酒
松葉を細かく刻んで砂糖とともに容器に入れ、ホワイトリカーで漬けます。
3ヶ月ほどで出来上がります。
日本酒と合わせてミキサーにかける方法もあります。
②松葉の酵素飲料(松葉サイダー)
刻んだ生の松葉を1.8L瓶にできるだけ詰め込みます。
そこへ100gの砂糖と容器8分目の水を加えます。
密封はせず、日光に当てて発酵させ、発酵が始まったら暗所に移します。
(夏場は5日、冬場は10日ほどかかります。)
その後1ヶ月ほど待つと苦味のあるサイダーができます。
③松葉茶
採取した松葉を乾燥させ、お茶のようにして飲みます。
赤みのある液体になり、ほんのり甘みが感じられます。
しっかり煮出すと薬効も期待できます。
④花粉団子
集めた花粉に蜂蜜を少したらして周りに花粉をつけます。
小さなふわふわの団子になり、紅茶などに浮かべて飲みます。
花粉を食べると夏バテ予防になります。
症例は少ないですが、花粉症になる可能性があるので多食は控えましょう。
⑤若い松ぼっくりのジャム
ロシアでは松ぼっくりのジャムが販売されています。
普通の果実と同じような方法で作ることができます。
したごしらえした松ぼっくりと同量の砂糖、そしてレモン汁を入れ、煮詰めます。
体に良く、紅茶に入れると良いそうです。
マツの薬効
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
マツにはさまざまな薬効があるといわれ、松葉や松ヤニを利用します。
- 健胃、整腸、強壮:松葉の酵素飲料を毎晩服用します。
- 血液の流れを良くする:松ヤニを一日0.5g服用するか、生の松葉汁、煎液を飲みます。
- 不眠、元気を回復する:松葉を2~3本口に入れて噛みます。
- 冷え性、リウマチなど:松葉を入浴剤として利用します。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。