水辺などで見かける、背丈が大きい野草。
昔の子どもたちは野で咽が乾いた時、おやつのように噛んでいたそうですが、私は調べるまで知りませんでした。
イタドリの、野草として調べたことをまとめました。
イタドリの基本情報
- イタドリ(痛取り):タデ科ソバカズラ属 多年草
- 別名:スイカンボ、スカンポ、ドングイ、タジイ、サシガラ、ゴンパチ、ヤマウメなど多数
- 自生地:北海道~九州
- 開花時期:7~10月
- 栄養成分:ビタミンC、有機酸など
イタドリの特徴
道端や荒地、土手などで見られる大型の野草で、草丈は2mまでになることも。
早春に真っ赤な芽を出し、茎は中空で互生する葉は先のとがった卵形。
夏から秋にかけて、葉のわきに白い小さな花を咲かせます。
雌雄異株で、雄花と雌花は別々の株につけます。
雄株は細くて硬く、雌株は太くて赤っぽい茎です。
茎は中空なので、両端に放射状の切り込みを入れて開き、水にしばらく浸してから棒に通して流水に置くと水車遊びができます。
名の由来は、生の葉を揉んで傷につけると出血が止まり痛み取が取れることからとか、皮から糸状のものを取ったので「糸取り」から呼ばれるようになったなどの説があります。
また、スイバと同様にシュウ酸を含み酸味があり、どちらもスカンポの別名があります。
イタドリの仲間オオイタドリ
北海道や本州中部以北で見られる大型のオオイタドリは3mほどにも生長します。
オオイタドリもまた、食用になります。
イタドリに比べると太く肉厚で味は薄め。
歯ごたえを楽しみます。
イタドリの食べられる部位と採取時期
若苗や若茎が食用になります。
目安は、関西以西は3~4月ごろ、関東・中部は4月ごろ、北海道・東北では4~5月ごろが採取の適期。
葉が開いていない、タケノコ状に伸びる太い茎をポキッと折り取ります。
太いものほど味が良い。
薬用としては、地上部の枯れた秋から冬に、木質の根茎を掘り取ります。
イタドリの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
特に川の流域などの土地の肥えた場所に多く自生します。
食用として向く雌株は太くて紅紫色の斑点があり、湿った日陰に生えていることが多いです。
若茎や若芽の先を手で摘み取るか、ナイフで切り取ります。
イタドリの調理方法
シュウ酸を多く含み、食べ過ぎると下痢や結石などの原因にもなります。
また妊娠している方は避けましょう。
- 若茎:生食、天ぷら、和え物、漬け物、酢の物、炒め物、煮物、ジュースなど
アクは弱く生でも食べられますが酸味がありますので、したごしらえをします。
調理のバリエーションの豊富なイタドリのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
茎は皮をむいて熱湯で茹で、冷水にさらします。
皮をむくと強い酸味が弱くなります。
皮がむきにくい時は、先に熱湯に浸けてからむきます。
加熱しすぎると柔らかくなってしまうので、調整して。
酸味が強すぎる時は、重曹を使ったり、冷水にさらす時間を長くとります。
また節を潰して水にさらすと酸味が抜けやすくなります。
したごしらえしたイタドリは、塩漬けで長期保存できます。
①生食
茎は皮をむいてそのまま食べられますが、塩をつけるとおいしい。
塩でもんでサラダに利用することもできます。
②炒め物
したごしらえをして適度に酸味を抜いたら、食べやすい大きさに切って炒めます。
ごま油など和風の味付けで。
③和え物
したごしらえをして酢の物やマヨネーズ和えにすると酸味に合います。
④若芽の天ぷら
生のまま天ぷらにすると、酸っぱさが弱まります。
⑤ジャム
茎の皮をむき、重さを量ってから細かく輪切りにし、水に数分浸けて渋みを抜きます。
水気を切り、イタドリの半分の重さの砂糖とともに鍋に入れ、煮詰めます。
色が変わり、とろみが出てきたら、ゆるめの状態で火を止めます。
冷えるとかたくなります。
イタドリの薬用効果
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
秋に根茎を掘り出して日干ししたものが、生薬では虎杖根(こじょうこん)と呼ばれます。
虎杖根には以下の薬効があるといわれています。
- 便秘、月経不順、糖尿病:一日5~20gの虎杖根を煎じて、空腹時に3回に分けて飲む。
- のどの渇き:虎杖根に甘草を加えて煎じ、冷やしてお茶の代わりに飲む。
- 湿疹:根を浴湯料として使う。
参考になる本の紹介
この記事を作成するにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。