カラスウリは本当は食べられる?調理法など【食べられる山野草】

食べられる野草・山菜

秋の雑木林でカラスウリを見かけることがあります。
花材として利用されることはあっても食用になるとは聞きません。
しかしちゃんと調べると食べられるようです。
今回は、カラスウリの食用として調べたことをまとめました。

カラスウリの基本情報

  • カラスウリ(烏瓜):ウリ科カラスウリ属 つる性多年生草本
  • 別名:キツネノマクラ、タマズサ、クマズサ、ゴウリ、チョウジウリ、ムスビショウなど
  • 自生地:北海道~九州
  • 開花時期:8~9月
  • 薬用効果:利尿、肌荒れ

 

カラスウリの特徴

山野や雑木林に自生します。
雌雄異株で、細毛の生えるつる性の茎は3~5mにも伸び、他の草木に絡みついて生長します。
葉は手のひらの形のように3~5裂します。
夏から初秋に、葉の付け根部分からレースのような白い花を咲かせます。
この花は夜、暗くなってから開き、朝にはしぼんでしまいます。
夜のうちにスズメガの仲間が花を訪れ、受粉します。
秋には球形や楕円形の果実をつけ、緑色から朱赤色へ熟します。

カラスウリという名前の由来には、この実をカラスが食べるからという説や、種の色がカラスのように黒いからという説があります。

 

カラスウリの仲間

仲間に、カラスウリよりも小さなスズメウリがあります。
緑や赤の実に白い線が入り、味はキュウリのようなので、サラダに使うことができます。

また秋に黄色い実を結ぶキカラスウリは生薬として利用します。
果実から採取した種子を日干しにして煎服すると、咳止めや痰切りに。
根は解熱や下痢止めに利用されます。

 

カラスウリの食べられる部位と採取時期

5~8月の柔らかい若葉と、9~10月の果実が食用になります。
果実は熟す前の、緑色のものを採取します。

 

カラスウリの採取場所と注意

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

山野の雑木林や平地の林の縁、日当たりの良い山道脇や藪などに見られます。
つるが高木に絡みついている場合、高い所に実をつけていることがあります。
その時はつるを引っ張って手繰り寄せます。

 

カラスウリの調理方法

カラスウリは食用部位によって調理法が異なります。

  • 若葉:和え物、天ぷら、炒め物など
  • 果実:漬け物、煮物、汁の実など

アクは少しあるので、したごしらえをします。
ここでは、カラスウリのシンプルな調理法を紹介します。

したごしらえ 
塩ひとつまみを入れた熱湯で10分ほど茹でて冷水に12~13分ほどさらします。

①和え物 
若葉はしたごしらえの後、和え物に。
ごま和えやマヨネーズ和えが合います。

②漬け物 
果実は塩漬けや味噌漬けに。
縦に切って種を取り除いたら酢を入れた水で洗い、塩や味噌で漬けこみます。
一晩で食べることができ、また保存もできます。

③汁の実 
皮をむいて種を取り除いた果実を味噌汁の具として使います。

 

カラスウリの薬用効果

薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
カラスウリの赤い果肉は、民間療法ではひびやあかぎれ、しもやけなどの肌荒れに効果があると言われ、化粧水の材料としても利用できます。また、根は「王瓜根(おうかこん)」という生薬になり、利尿や黄疸に効果があると言われています。

 

参考になる本の紹介

この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。

 

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