マコモ・マコモダケの採取と食べ方【食べられる山野草】

マコモ・マコモダケの採取と食べ方【食べられる山野草】

水辺に生える野草のマコモ。
一見、食用になる部分が思いつかないのですが、食べごろの姿は確かにおいしそう。

そんなマコモの、食用として調べたことをまとめました。

マコモの基本情報

  • マコモ(真菰):イネ科マコモ属 多年草
  • 別名:キレ、コモ、コモガヤ、カツミ、チマキグサ、ハナガツミなど
  • 自生地:北海道~九州
  • 開花時期:8~10月
  • 栄養成分:タンパク質、脂質、鉄、ビタミンB1、B2、C、カリウムなど
  • 薬用効果:暑がり、黄疸、口渇、淋病、便秘など

 

マコモの特徴

沼地や河口などに生える大型の水生多年草。
泥の中に太い根を伸ばし群生し、草丈は1~2mにもなります。
この細長い葉は、昔は敷物に編んだり、飼料として使われました。

夏から秋にかけて淡緑色の目立たない花を咲かせます。
花後、褐色の長楕円形の実をつけます。

秋ごろに株元が肥大化したものを「真菰筍(マコモダケ)」と呼び、この部分を食用としますが、これはカビの一種である黒穂菌(くろぼきん)が寄生して起こるもの。
放置すると食用にならなくなりますが、黒い胞子に油を混ぜて「真菰墨(まこもずみ)」となり、古くは眉墨やお歯黒の染料などに利用されました。

 

マコモの食べられる部位と採取時期

一般的に夏から秋にかけて肥大化する基部(マコモダケ)が食用になります。
白っぽく、外葉が割れ出したものが適期。
採取は根元から鎌で刈り取ります。

また花後の褐色の実も食用となります。
近縁種のアメリカマコモの種子はワイルドライスと呼ばれています。

 

マコモの採取場所と注意

 

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

池や沼、小川の岸などの水辺に群生します。

マコモは栽培もされています。
害虫はあまり発生しませんが、ニカメイチュウがつくことがあります。

 

マコモの調理方法

冷え性の方は多食を控えた方が良いと言われています。

マコモは乾燥を嫌います。
収穫した後、すぐに調理しない場合は濡れた新聞紙などに包んで冷蔵保存することで5日ほどもちます。

  • マコモダケ:和え物、炒め物、煮物、汁の実、焼き物、天ぷら、漬け物、サラダなど
  • 実:お粥など

マコモダケは生食もでき、えぐみがなく淡泊で上品な味。
さまざまな用途に利用することができます。
ここでは、マコモダケのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

したごしらえ 
外皮をはがし、軽く茹でて水にさらします。
長期保存するには塩漬けやスライスして冷凍します。

①汁の実 
お吸い物などに加えると上品な味わいを楽しめます。

②和え物 
淡泊な味なので、どんな味つけにも合います。
コリコリした歯ごたえが感じられます。

③天ぷら 
外皮をはがして生のまま衣をつけて天ぷらに。
素材のほのかな甘みを感じます。

 

参考になる本の紹介

この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。