フランス語名でクレソンといわれスーパーで手に入れるのが一般的な植物。
植物名としてはオランダガラシと呼びます。
元々は外来種ではありますが、今では野生化したものを採取することもできます。
では天然のものはどこで採取できるのでしょう。
野生のオランダガラシの調べたことをまとめました。
オランダガラシの基本情報
- オランダガラシ(クレソン):アブラナ科オランダガラシ属 多年草
- 別名:ウォータークレス(英)、ミズナズナ、ミズガラシ、オランダミズガラシ、ワカナなど
- 自生地:日本全土(帰化植物)
- 開花時期:6~7月
- 栄養成分:カルシウム、マグネシウム、カロテン、食物繊維など
- 薬用効果:解熱、利尿、消化促進など
オランダガラシの特徴
明治時代に高級洋菜として輸入され、ビフテキなどのつまに使用されていました。
料理に使った切れ端などが水辺に流れ出して野生化したと言われています。
それほどまでに繁殖力は強く、生活用水が流れる汚い川にも生えます。
茎は柔らかく横に這い、葉は長楕円形で互生し、草丈は30~50cmほどに生長します。
葉の付け根から白い根を出して増えます。
初夏には枝先に白い十字の小花を密生して咲かせ、花後にさやに入った実をつけます。
秋冬の葉は寒さで赤っぽくなります。
オランダガラシの食べられる部位と採取時期
一年中採取できますが、春の若葉がおすすめ。
地域別の適期としては、四国・九州地方では3~5月、関東・中部・関西・中国地方では4~5月、北海道・東北地方は5~6月になります。
採取時はむしり取らずに根を残し、10~20cmくらいの、爪でちぎれるところから切り取ります。
花も食べられますが、この時期には虫が付きやすく葉も食べられてしまうことが多いです。
オランダガラシの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
湧水池やきれいな水の流れる水辺などに群生します。
人の生活に近い場所でも生えるので、生食で利用する場合は汚染されていない、できるだけきれいな環境のものを採取します。
持ち帰って栽培するのは少し難しく、水の流れがないと根ぐされを起こしてしまいます。
しかし環境が整っていれば根付き、増えるのも早いです。
オランダガラシの調理方法
強い通経作用があるため、妊婦は多食や常食を避けましょう。
- 若葉:生食、おひたし、和え物、汁の実、炒め物、素揚げなど
生食できるので、さわやかな香りと辛味を楽しみます。
辛味成分は高い抗酸化性のシニグリンによるもの。
ここでは、野生のオランダガラシのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
生で食べる場合は流水でよく洗います。
おひたしなどには、軽く茹でます。
塩漬けすることで保存することもできます。
①生食
サラダや薬味、洋風料理の付け合わせとして楽しみます。
ピリッとした辛みが胃液の分泌を促し、消化を助けてくれます。
②炒め物
ベーコンとともに炒めて塩コショウで味付けします。
歯ごたえの良い食感。
③素揚げ
パリパリとした食感と、野生の辛みや香りを楽しみます。
オランダガラシの薬効
薬効については、あくまで参考程度に記載しています。
オランダガラシにはカロテン、ビタミンC、B群やカルシウム、鉄などが豊富に含まれています。
そのため貧血予防や消化促進、免疫力強化などの効果が期待できると言われています。
また辛み成分には抗酸化作用があります。
歯痛や筋肉痛には、生葉をすり潰し患部に冷湿布するとよいと言われています。
ヨーロッパでは民間薬として全草を消化や解熱、利尿に用いています。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。