甘い蜜がうれしいスイカズラの採取と食べ方【食べられる山野草】

食べられる野草・山菜

金銀花(きんぎんか)とも呼ばれるスイカズラ。
花の基部から甘い蜜を吸うことができる、ちょっと嬉しい植物。

そんなスイカズラの楽しみ方、調べたことをまとめてみました。

スイカズラの基本情報

  • スイカズラ(吸葛):スイカズラ科スイカズラ属 落葉低木
  • 別名:ミツバナ、スイバナ、スイスイバナ、チチバナ、チチグサなど
  • 自生地:日本全土
  • 開花時期:4~6月
  • 栄養成分:フラボノイド、イノシトール、ロニセリン、タンニン、ロガニンなど
  • 薬用効果:解毒、皮膚病、腰痛など

 

スイカズラの特徴

スイカズラという名の由来は、甘い蜜を吸うことろから。
管状の花を引き抜き、基部を口で吸うとジャスミンに似た甘い香りと味がします。

日本各地や中国、朝鮮半島にも分布するつる性の落葉樹ですが、暖かい場所では常緑のものも。
つるは右巻きで、他の木などに絡みついて生長します。
葉は長楕円形で表面に光沢があり、柔らかい毛に覆われ対生します。
初夏に枝先の葉のわきに白い花を咲かせ、のちに黄色く変わっていきます。
この白と黄色の咲き乱れる様子から、金銀花といも呼ばれています。
花後の果実は黒い球形。

スイカズラに似たもので、全木に毒のあるヒョウタンボクがあります。
花が似ていますが、ヒョウタンボクはつる性ではないので姿をよく確認しましょう。
また果実には特に猛毒を有し、スイカズラとは異なり赤色をしています。
誤食すると下痢や嘔吐、麻痺などを引き起こします。

 

スイカズラの食べられる部位と採取時期

やわらかな新芽や若葉を春から初夏にかけて採取します。
地域別の適期は、関西地方以西は4月、関東・中部地方は4~5月、東北地方は4~6月、北海道は5~6月が目安。
7月ごろでも茎葉や若葉をお茶として採取することもできます。

また開花期の花も食用や薬用になります。

 

スイカズラの採取場所

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

山野や丘陵、郊外の空き地などの日当たりのよい林床や路傍に自生します。

 

スイカズラの調理方法

昔の中国でもスイカズラは食用にしていたそうです。
和え物や炒め物などに、初夏から初秋のつる先や葉をゆがいて干したものを使っていたとか。

  • 新芽・若葉:おひたし、和え物、天ぷら、炒め物、お茶など
  • 花:酢の物、サラダ、かき揚げ、花酒、お茶、薬など

ここでは、スイカズラのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

したごしらえ 
新芽や若葉はアクがあります。
塩をひとつまみ入れた熱湯で10分ほど茹でた後、半日冷水にさらします。
花はそのまま使うこともできます。

①おひたしや和え物 
したごしらえをした新芽や若葉を食べやすい大きさに切って盛りつけます。
マヨネーズなどお好みで調味して。

②花の酢の物 
花は生のまま酢の物に。
元々蜜の甘みがあるので、甘酢などが合います。

③花酒 
つぼみのものから白色、黄色の花まで使えます。
採取したものを容器に入れ、白ワインを少し入れて振り洗いします。
早く飲みたい場合は本漬けの時に花の上に少量の砂糖を加えます。
また黒い実を少し加えると紫色に染まります。
数日で飲むことができます。

④お茶 
茎葉や若葉をよく水洗いし、数日日陰で干したりレンジ加熱で乾燥させます。
花は別で乾燥させ、から煎りした葉とともにお茶代わりに飲みます。

 

スイカズラの薬効

薬効に関しては、あくまで参考程度に記載してます。

開花期の花を陰干ししたものを、生薬では「金銀花(きんぎんか)」と呼び、また夏の葉を日干しにしたものを「忍冬(にんどう)」と呼びます。これらには以下の薬効があるといわれています。

  • 解熱、利尿、浄血:金銀花を煎じ、食間に3回に分けて服用します。
  • 口内炎、扁桃腺炎:忍冬の煎液でうがいします。
  • 皮膚病:金銀花や忍冬の酒は皮膚病に効果があり、不老長寿薬になるともいわれています。
  • 腰痛、打ち身、リウマチ、湿疹など:金銀花か忍冬の煎液を入浴剤として利用します。

 

スイカズラを気軽に楽しむ方法

スイカズラを使った商品で、こんなに気軽に味わえるものを見つけました。
金銀花のエキスを封じ込めたのど飴。
評価も高いので、これは試してみたくなります。

 

参考になる本の紹介

この記事を作成するにあたり、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真などが掲載されていますので、ぜひご覧ください。

 

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