春の山野で見かけることのある、ウワミズザクラの花。
ブラシのような特徴的な花穂はアンニンゴ(杏仁子)と呼ばれます。
アンニンゴという名前のように食用になるということで、調べたことをまとめました。
ウワミズザクラの基本情報
- ウワミズザクラ(上溝桜):バラ科ウワミズザクラ属 落葉低木
- 別名:アンニンゴ、コンゴウザクラ、ゴテンザクラ、ハハカ、ナタヅカなど
- 自生地:北海道~九州
- 開花時期:4~6月
ウワミズザクラの特徴
樹高は10~20mで、桜の一種ですが葉が茂ってから花が咲きます。
ソメイヨシノの見ごろが終わった後に開花します。
白く小さな花が穂状につき、ブラシのように見えます。
夏に小さな実がつきます。
黄色から橙、赤、黒紫色と徐々に色が濃くなっていきます。
ウワミズザクラという名の由来は、古代、占いに使われたことから。
占(裏)溝桜が転じてついたとのこと。
近縁種にシウリザクラ、エゾノウワミズザクラがありますが、こちらも同様に食用になります。
ウワミズザクラの食べられる部位と採取時期
4~5月のつぼみの状態の若い花穂、7~8月につく実が食べられます。
実は、未熟や完熟どの段階のものでも使えます。
つぼみも実も沢山採れる年と、そうでない年があります。
ウワミズザクラの採取場所と注意
丘陵地から山地、郊外の雑木林などで見つけることができます。
若葉の柔らかい花穂をハサミで軸から房ごと切って採取します。
花穂を採ってしまうと、その部分は夏に実がならないので使う分だけ採集します。
また摘んだ後は時間がたつとかたくなるので、早めに持ち帰り調理します。
実を採取する時も房ごと集め、持ち帰って実を外します。
アンニンゴの調理方法
- 花穂(つぼみ):天ぷら、塩漬け、お茶漬、シロップ漬けなど
- 実:酒など
アク抜きの必要はなく、そのまま使えます。
ここでは、アンニンゴを長期で楽しめるシンプルなおすすめの使い方を紹介します。
①アンニンゴの塩漬け
新潟あたりで料理や酒の肴として食べる方法。
つぼみの状態の花穂を房ごと採取し、軽く水洗いして密封容器に敷きつめます。
そこに濃い目の塩水に入れ空気が入らないようにふたをします。
翌日、塩水を捨て、塩を追加して空気を抜き密封します。
2~3日で食べられるようになり、冷暗所で長期保存ができます。
食べる時は軽く水洗いし、塩分を控えたい時は長めに水にさらします。
お茶漬けやおにぎりなどに使えます。
②アンニンゴ酒
実を穂から全て外し、洗って水気を完全に拭き取ってから使います。
広口ビンの1/4~1/3くらいに実を入れ、砂糖を同量(重量)入れます。
ホワイトリカーを注ぎ入れ、冷暗所に保管します。
未熟なものは熟成に時間がかかります。
参考になる本の紹介
この記事を作成するにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。