海岸で時折見かける背丈の低い植物。
最近では砂浜の減少でその姿も珍しいものに。
そんなハマボウフウの、調べたことをまとめました。
ハマボウフウの基本情報
- ハマボウフウ(浜防風):セリ科ハマボウフウ属 多年草
- 別名:ヤオヤボウフウ、ハマギイ、ハマゴボウ、イセボウフウ、キボウフウ、ハマキクなど
- 自生地:日本各地の海岸
- 開花時期:6~8月
- 栄養成分:精油、澱粉など
ハマボウフウの特徴
北海道から沖縄の海岸のほか、中国や朝鮮半島、台湾、サハリン、千島などにも分布する多年草。
草丈は10~20cmほど。
葉には厚みとつやがあり、縁に細かいギザギザがあります。
初夏から盛夏に株の中心に白い小花を球状に咲かせ、花後の果実は軟毛を密生させます。
太く長い根にはセリ科特有の芳香があります。
ハマボウフウの名の由来は、浜の砂地に生育するため。
別名のヤオヤボウフウは、料理のつまとして八百屋に並ぶため。
ハマボウフウの仲間 ボタンボウフウ
関東以西の海岸に分布する、同じセリ科の仲間でボタンボウフウがあります。
ボタンの葉のような形をしており、葉にはつやがなく白っぽい色をしています。
ハマボウフウに比べてあまり知られていませんが、ほぼ通年にわたり株の中央の若芽が食用になります。
ハマボウフウよりアクが強いのでアク抜きの作業は必要。
塩をひとつまみ入れた熱湯で7~8分茹で、冷水に15分ほどさらします。
沖縄では長命草と呼ばれ、各家の庭先に植えられています。
セリ科の芳香とビタミンやカロチンなどを含んでおり、健康長寿の薬草として親しまれています。
ハマボウフウの食べられる部位と採取時期
3~5月、春の新芽を採取します
地方別の適期は、中部・関西・四国・九州地方では3月ごろ、関東地方では3~4月、東北地方は3~5月、北海道では4~5月。
また、根も食用になります。
生薬としては夏に採取します。
砂地に生えるハマボウフウの根は引っ張るとすぐ抜けてしまいます。
乱獲で数が減っているので、採取は茎の根元だけにし、根の採取は最小限にとどめましょう。
ハマボウフウの採取場所と注意
全国の海岸砂地に自生しています。
栽培物もあり、品質が良くおいしく食べられます。
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
ハマボウフウの調理方法
- 若葉:生食、天ぷら、酢の物、和え物、汁の実など
- 根:揚げ物、きんぴら、薬酒など
ハマボウフウはほとんどアクがありません。
ここでは、ハマボウフウのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
熱湯で軽く茹でて、水にさらします。
①生食
生食できるので刺身のつまなどに利用されるのが一般的。
特有の良い香りがあるのでサラダにも。
②酢の物
若芽を軽く茹で、さっぱりとした酢の物に。
③根の揚げ物
短冊状に切った根をから揚げにし、砂糖や塩をまぶして。
ハマボウフウの薬効
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
ハマボウフウは血液やリンパ液の流れをよくする作用があり、薬効としては肩こりや関節痛、リウマチ、脳溢血、皮膚の発疹などに効果があると言われています。
気軽にハマボウフウを楽しむ方法
天然のハマボウフウは昔に比べて激減しており、希少な存在。
見つける機会も減ってしまいました。
その場合は、苗を育てることもできます。
元々砂地の植物なので生育環境を整える必要はありますが、チャレンジしてみませんか。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。