春の田畑などに見られる大きな雑草スイバ。
名前を知らなくても開花期の花は地味ながら見慣れた姿です。
そんなスイバの、食用として調べたことをまとめました。
スイバの基本情報
- スイバ(酸葉):タデ科ギシギシ属 多年草
- 別名:スイカンポ、スカンポ、スイッパスカナ、ウマサトガラ、アカジ、ダヤス、ソレルなど
- 自生地:日本全土
- 開花時期:5~8月
- 薬用効果:便秘、皮膚病、利尿など
スイバの特徴
人家付近に見られる雑草。
昔から味の酸っぱさが知られ、お酢の代用にされました。
根出葉を広げて株を作り、長い柄のある長楕円形で先端が尖る葉をつけます。
雌雄異株で、春から初夏に40~80cmほどの花茎を直立させます。
開花期には輪生状に小花をたくさんつけ、淡緑色から徐々に赤色に変化します。
霜の降りる頃、葉は赤色に色づきます。
名前の由来は、かじると酸っぱいことから。
昔のこどもは茎を生のまま皮をむいて酸味を楽しんでいました。
別名の「スカンポ」はイタドリの別名でもありますが、どちらも葉や茎にシュウ酸が含まれています。
同じ仲間のギシギシに似ていますが、こちらは葉の基部がホコの形をしており、縁も波打ちません。
またシギシギはスイバより大型に生長し、味も酸味がありません。
スイバの食べられる部位と採取時期
一年中採取できますが、主に1~5月が適期。
花がつく前の、太い若芽や若茎を採取します。
ホウレンソウのような姿で、葉がバラけないよう根元から切り取ると採取が楽です。
生長してきたものは、手で折れるところを摘み取ります。
地下の根茎は生薬になり、9月ごろに掘り出します。
スイバの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
日当たりのよい田畑の畦、土手、空き地や路傍などで見られます。
スイバの調理方法
シュウ酸を多量に含むため、生での多食は避けましょう。
特に妊娠中の方は沢山食べないでください。
- 若芽、若茎:生食、和え物、漬け物、おひたし、天ぷら、炒め物など
多食せずに、少量を楽しむようにします。
ここでは、スイバのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
アクは弱いため、熱湯をくぐらせる程度で大丈夫。
茹でて乾燥させれば保存することもできます。
①生食
酸味があるので若芽や若葉を細かく刻んで納豆や梅肉に和えます。
ぬめりのある食感を、少しの量で楽しむ程度に。
②和え物
茹でた後、納豆和え、マヨネーズ和え、味噌和えなどにします。
③ジャム
12~3月ごろの早春の茎葉は赤く色づいているので、ジャムにします。
さっと茹でた茎葉に同量の砂糖を加えて煮詰め、レモン汁を加えます。
水分が無くなったらフードプロセッサーですり潰して混ぜます。
スイバの薬効
薬効については、あくまで参考程度に記載しています。
スイバの根茎を乾燥させたものを生薬では「酸模根(さんもこん)」と呼び、便秘に効果があるとされています。
民間薬としては生の根を潰した汁は水虫やたむしなどの皮膚病として使われ、患部に塗布しました。
また近年の研究では、スイバの根には抗がん物質があることが分かりました。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。