民家の庭先で観葉植物として、また畑のへりなどで見かけることがあります。
表面に毛が生え、白いすじが見られる特徴的な葉が、見た目にも楽しいです。
そんなユキノシタが食べられるとのことで、調べたことをまとめました。
ユキノシタの基本情報
- ユキノシタ(雪の下・雪の舌):ユキノシタ科ユキノシタ属 多年草
- 別名:イワブキ、イケハタ、イドグサ、キジンソウ、ユキワリシタなど
- 自生地:本州~九州
- 開花時期:5~7月
- 成分:利尿作用のある硝酸カリウム、塩化カリウム、解毒作用のあるベルゲニン
ユキノシタの特徴
ユキノシタという名の由来は
①雪の下でも青々とした葉を茂らせていることから
②雪のように白い花の下に葉をつけることから
という説があります。
厚みのあるハート形の葉には細かい毛が密生し、表には白色のすじがあります。
葉の大きさは10~20cmほど、背丈は高くて50cmほどになります。
梅雨時には花茎を伸ばして白い5弁の花をつけます。
園芸種では赤い花もあります。
ユキノシタの食べられる部位
食用部位は葉と花になります。
毛の生えた厚みのある葉が食べられます。
香りや味はほとんどありませんが、モチモチした食感を楽しめます。
花も食べられます。
ユキノシタの採取時期はほぼ一年中
若葉は春から秋まで次々と葉が出てくるので、長期間採取できます。
花は開花期の5~7月。
ユキノシタの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
山地や平地の日陰や湿った場所に自生しています。
大きい外側の葉から摘み、根は抜きません。
花は柄をつけて採取します。
ユキノシタの汚れの落とし方
できるだけきれいな葉を採取しても、表面の毛は汚れがつきやすいです。
たっぷりの水に浸すことで、きれいに落とすことができます。
- ザルに葉を入れ、水につけて時間を置き、ゆすります。
- 葉をひっくり返して再びゆすります。
ユキノシタの調理方法
ユキノシタは部位によっておすすめの調理法があります。
- 葉:天ぷら、和え物、炒め物、酢の物、煮物、汁の実など
- 花:天ぷら、汁の実、ゼリー、花茶など
ここでは、ユキノシタのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
塩ひとつまみ入れた熱湯で5分ほど茹でて水に15分さらします。
茹ですぎるととろけてしまいます。少し硬さが残る程度に。
①葉の天ぷら
洗った葉の水分をとり、生のまま葉の裏面だけに衣をつけ、中温で揚げます。
葉の模様を生かした見た目の天ぷらになります。
表面の毛も、天ぷらにしてしまうと気にならなくなります。
肉厚の食感を楽しんで。
②和え物
葉や花を塩を入れた熱湯で茹で、水にさらして和え物に。
からごま和え、からし和え、酢味噌和えなど。
③ユキノシタの花茶
茹でて塩漬けにすると保存ができ、お湯を注いで花茶になります。
ユキノシタの薬効
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
ユキノシタの葉を日干しにしたものを、生薬では虎耳草(こじそう)と呼ばれています。
以下のような薬効があるといわれています。
- 消炎、切り傷、火傷、しもやけ、虫刺され、膝かぶれ、にきび、面疔、腫れ物、咽頭炎など
生の葉の汁を患部に塗布、または生葉を揉んで貼る、葉を火であぶって貼る - 小児のひきつけ、百日咳、てんかん
塩を少し入れた生葉汁を服用、または生葉の天ぷらを食べる - 健胃、解毒、解熱、風邪、百日咳、ニキビ、心臓病、腎臓病
生薬の虎耳草を1日5~20g煎じて服用する
ドイツでは腎臓結石を治すと言われています。
参考になる本の紹介
記事の作成にあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。