秋の七草で知られるキキョウ。
万葉集で山上憶良の短歌に詠まれているアサガオは、キキョウのこと。
そんなキキョウが食べられるとのことで、調べたことをまとめました。
キキョウの基本情報
- キキョウ(桔梗):キキョウ科キキョウ属 多年草
- 別名:梗草(きょうそう)、オカトトキ、ボンバナ、ムラサキバナ、ヒトエグサなど
- 自生地:北海道~九州
- 開花時期:7~9月
- 成分:サポニンを含む
キキョウの特徴
日当たりの良い山地の草原などに群生し、古くから園芸品種も栽培されています。
直立する茎は高さ1mほどにもなり、茎や葉、根を傷付けると白色の乳液を出します。
葉は互生し、長卵形。
夏から秋に分枝した枝先に青紫色または白色の鐘形の花を咲かせます。
キキョウの食べられる部位と採取時期
若芽と若茎、花、根が食用になります。
4~5月に若芽や若茎は先端の柔らかいところ。
根は薬用としても使われ、夏~秋に掘り採ります。
キキョウの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
野生としては日当たりの良い山地や丘陵、原野、土手などに自生します。
観賞用としても栽培されますので、庭などに植えることもできます。
キキョウの調理方法
- 若芽、若葉:天ぷら、炒め物、おひたし、各種和え物、煮物など
- 根:きんぴら、漬け物など
- 花:天ぷら、花酒など
アクが強いので、天ぷらにする以外はしたごしらえをします。
ここでは、キキョウのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
茹でてからよく水にさらします。
根は外側の皮を取り去ります。
流水の中に数日浸し、皮が柔らかくなったらかきまぜるととれます。
①天ぷら
生のまま若芽や若葉を天ぷらに。
花も天ぷらにすると、見た目がきれいです。
②和え物
下ごしらえした若芽や若葉はごま和えや酢味噌和えが合います。
③根のきんぴら
ささがきにし、きんぴらに。
根は繊維が少なく、2~3年のものは柔らかく食べやすいです。
④花酒
花が沢山摘めたら花酒に。
少し手間がかかりますが、ひとつひとつ乳液を拭き取り3倍量の焼酎に漬けます。
2、3時間ほど待てば美しい淡青紫色の花酒ができあがります。
1~2週間で飲み切ります。
キキョウの薬効
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
夏から秋に掘ったキキョウの根は生薬では桔梗根(ききょうこん)と呼ばれています。
また生の葉や茎の汁にも薬効があると言われています。
薬用効果
- 咽や呼吸器系の病気:桔梗根を一日3~10g煎じて服用する。
- 痰切り、咳止め:日干しした根を粉末にし、一つまみを入れた水でうがいする。
- うるしかぶれ:生葉汁を患部に塗布すると効果がある。
※生薬として国内で販売されているほとんどは、韓国や中国からの輸入品。
国産の物はほとんど出回っていません。
参考になる本の紹介
この記事の作成にあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。