市街地では植え込みに紛れて花を咲かせることのあるヒルガオ。
アサガオと比べて優しい印象。
そんなヒルガオが食べられるとのことで、調べたことをまとめました。
ヒルガオの基本情報
- ヒルガオ(昼顔):ヒルガオ科ヒルガオ属 つる性多年草
- 別名:アメフリアサガオ、コシカ、アオイカズラ、ハタケアサガオ、チョコバナなど
- 自生地:北海道~九州
- 開花時期:5~9月
- 栄養成分:ミネラル、ビタミン、食物繊維
ヒルガオの特徴
万葉集に出てくるカオバナ(容花・貌花)はヒルガオと言われています。
夏の早朝に咲き昼にしぼむアサガオに似ていますが、ヒルガオは午前10時ごろに咲き夕方にしぼみます。
名前の由来もこの特徴から。
花はアサガオに比べて小ぶりで、直径5~6cmの淡ピンクの花を咲かせます。
葉は矢じりのような形、つる性の茎を出し他の草木に絡みつきます。
地下茎で増殖するので普通は実をつけませんが、まれに秋に球形の実をつけます。
インド原産で真夏の日照りに強い植物。
アサガオもサツマイモもヒルガオとともにヒルガオ科。
亜熱帯や熱帯を中心に世界中に分布しています。
アサガオは毒草なので食べられません。特に種に猛毒を含んでいます。
似た植物コヒルガオとハマヒルガオ
コヒルガオは本州~九州に自生してます。
葉の形はヒルガオと異なり基部が左右に張り出しています。
花は名前の通り小さく、直径は3~4cmです。
マヒルガオは北海道~九州の海岸の砂地に生育しています。
葉の形は丸く、厚みと光沢があります。
花もヒルガオに比べると小ぶりです。
どちらもヒルガオと同じように食べることができます。
ヒルガオの食べられる部位と採取時期
柔らかなつる先と若葉、花、地下茎、根が食用できます。
地方別の適期の目安は、九州地方では3~8月、関東・中部・関西・中国・四国地方では4~8月、北海道・東北地方は5~8月。
おすすめはピンクの花。初夏から晩夏に摘み取ります。
根は一年中採取できます。
ヒルガオの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
繁殖力が強く、郊外の道端や野原、土手などで見かけます。
きれいな環境のものを採取しましょう。
ヒルガオの調理方法
- 花:サラダ、おひたし、酢の物、天ぷらなど
- つる先、若葉:天ぷら、和え物、炒め物、おひたし、汁の実など
- 地下茎、根:かき揚げなど
ヒルガオの根には下痢を催す成分を含むので、したごしらえをしっかりします。
ここでは、ヒルガオのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
天ぷらにする以外は、よく茹でて水にさらします。
花は生食できるので必要ありません。
①花の天ぷら
生のまま天ぷらに。ピンク色を生かして、中温で揚げます。
②花の酢の物
花は茹でると量が減るので、沢山採取します。
酢を落とした湯にくぐらせ、水にさらし絞ってピンク色の美しい酢の物に。
③おひたし
つる先や若葉はさっと茹でて冷水に取っておひたしに。
くせがなく食べやすい。
ヒルガオの薬効
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
ヒルガオは生薬では旋花(せんか)と呼ばれています。
開花期に全草を根ごと掘り、日干しにしたもので、以下の薬効があると言われています。
- 疲労回復や利尿作用、体のむくみとり:
旋花を一日10gを600mlの水で半分になるまで煎じて、食間に3回に分けて服用する。 - 虫刺され、切り傷:
生の葉の汁を患部に塗布すると炎症がおさまる。
参考になる本の紹介
この記事を作成するにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。