見た目がいかにも雑草という出で立ちのベニバナボロギク。
ボロとつくので食用になるとはとても思えないのですが、かつては貴重な食料として重宝されていた時もありました。
そんなベニバナボロギクの、調べたことをまとめました。
ベニバナボロギクの基本情報
- ベニバナボロギク(紅花襤褸菊):キク科ベニバナボロギク属 一年草
- 別名:ナンヨウシュンギク、ショウワグサなど
- 自生地:本州~沖縄(帰化植物)
- 開花時期:8~11月
- 栄養成分:ミネラル、ビタミン、食物繊維など
- 薬用効果:利尿、乳腺炎、腸炎、健胃、整腸、解熱など
ベニバナボロギクの特徴
アフリカ原産の帰化植物で、第二次世界大戦時に日本に移入されました。
かつて東南アジア各地に出兵した兵士たちの現地食として食べられていたそうです。
草丈は50~100cmほどに生長し、上部の葉は倒卵状楕円形、下部は羽状に切れ込んでいます。
夏から秋にかけて茎先に筒状花が咲きます。
先端は朱赤色、基部は白色で、花序ごと下向きに垂れ下がります。
花は冠毛をもった種子に変わり、風に飛ばされていきます。
名前の由来は、この冠毛がぼろ布用に解けていくこと様子から。
同じ仲間にダンドボロギクがありますが、食用としてはアクが強いものになります。
似た毒草に、ツリフネソウがあります。
若葉の姿が似ており間違えやすいので、香りや花の形で判断します。
ベニバナボロギクに似たノボロギクは食べられる?
ヨーロッパ原産の帰化植物で、時々食用として紹介されるノボロギク。
繁殖力が強く、道端や畑のわき、空き地などに見られる雑草です。
春菊のような香りがあり、和え物やおひたし、天ぷらなどにして食べられると紹介している書籍はあります。
しかし別の書籍によると全草に発がん性物質を含んでおり、食べると肝臓障害を起こすそうです。
食用として利用するのは控えましょう。
ベニバナボロギクの食べられる部位と採取時期
7~11月、若茎、若芽を、柔らかな茎先を選んで摘み取ります。
生長したものは、脇の芽を摘みます。
大きな葉も柔らかいので食用になります。
採取の時は、重ねて束ねると傷みません。
ベニバナボロギクの採取場所と注意
荒地や伐採跡地、造成地、野山の明るい斜面などで見られます。
群生していることがあります。
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
ベニバナボロギクの調理方法
- 若芽、葉:天ぷら、炒め物、和え物、おひたし、汁の実、煮びたしなど
シュンギクに近い味でみずみずしさと香りが楽しめます。
ここでは、ベニバナボロギクのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
塩ひとつまみ入れた熱湯で7~8分茹で、水に10分ほどさらします。
葉がやわらかい場合は、それほど時間をかけなくても大丈夫です。
①おひたし
キク科の香りを楽しむならおひたしが良いです。
醤油やかつお節、マヨネーズで和えてもおいしいです。
②天ぷら
生のまま薄く衣をつけて、色が変わらないように中温で揚げます。
苦味と香ばしさが楽しめます。
③炒め物
したごしらえをし、食べやすい大きさに切って鶏肉やベーコンなどと炒めます。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。