タラノメが山菜の王様なら、コシアブラは女王。
コシアブラの春先の新芽は市場では高額で取引されます。
ここでは野生のコシアブラの、調べたことをまとめました。
コシアブラの基本情報
- コシアブラ(漉油):ウコギ科ウコギ属 落葉高木
- 別名:ゴンゼツノキ、オンナゴンゼツ、アブラッコ、イモノキなど
- 自生地:北海道~九州
- 開花時期:8~9月
- 栄養成分:脂肪、タンパク質、ミネラル、ビタミン、食物繊維など
- 薬用効果:高血圧、整腸作用、健胃、強壮、抗酸化作用、腰痛
コシアブラの特徴
山地に育つ落葉高木。
全体的にウコギに似ていますがトゲは無く、葉は小葉5枚からなる掌状複葉で、樹皮はすべすべしています。
野生のものは背が高く、高さは10~20mにもなりますが、北国のものは4~5mのものも多い。
夏に枝先の花茎に淡黄緑色の小さな五弁花の集まった花穂をつくり、花後には黒色の実を結びます。
秋には葉は黄色に紅葉します。
コシアブラや別名のゴンゼツの名の由来は、昔、実から油を漉し取り「金漆(ごんぜつ)」という塗料を得ていたことから。
しかし実際はコシアブラから樹脂液はほとんど出ません。
コシアブラの木は山形県米沢市の工芸品、笹野一刀彫(お鷹ぽっぽ)の材料として使われます。
コシアブラの食べられる部位と採取時期
4~6月に芽吹く新芽を摘み取ります。
寒冷地や高山では6~7月ごろまで採取できます。
コシアブラの芽は摘み取り過ぎると枯れてしまいます。
採取時は枝先の芽だけにし、側芽は残すようにします。
木を傷めないように無造作にもぎ取らず、大きな芽だけをハサミで切り取ります。
コシアブラの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
山地のコシアブラは樹高が高く採取は困難ですが、里山の雑木林などで見られるものは背丈が低く収穫しやすいです。
コシアブラの調理方法
- 新芽:天ぷら、おひたし、和え物、煮つけ、汁の実など
コシアブラは油分を含み、コクがありまろやかな風味。
ここでは、タラノメのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
芽の基部のはかまを取り除き、塩を入れた熱湯で軽く茹で、水に取ります。
①天ぷら
コシアブラを一番おいしくいただける方法。
天ぷらの場合は生のまま薄く衣をつけて揚げます。
②おひたし
したごしらえをして食べやすい大きさに切り盛りつけます。
強い香りがあり、酒の肴に。
③和え物
コクがあるのでごま味噌和え、くるみ和えなどが合います。
食べやすくするためにしたごしらえが必要です。
気軽にコシアブラを楽しむ方法
「コシアブラを食べてみたいけど、山に採りに行けない」
という方は、通販を利用することもできます。
販売時期は決まっていますが、確実に手に入れることができます。
また、苗木を育ててみるのはいかがでしょうか。
ご自宅の庭で育てて、春の楽しみの一つを作ってみましょう。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。