一般的には月見草と呼ばれているかと思います。
夏の野に見られる花の群生は、外来種ながら日本の夏の一部としてすっかり溶け込んでいます。
そんなマツヨイグサの、食用として調べたことをまとめました。
マツヨイグサの基本情報
- マツヨイグサ(待宵草):アカバナ科マツヨイグサ属 一年草または多年草
- 別名:ツキミソウ、ヨイマチグサ
- 自生地:全国各地(帰化植物)
- 開花時期:6~9月
- 薬用効果:利尿、むくみ、解熱、下痢止めなど
マツヨイグサの特徴
国内に自生しているマツヨイグサにはいくつかの種類があり、全て外来種です。
- 仲間の中では最も早く幕末に渡来した、現在では数を減らしてあまり見かけなくなっている南アメリカ原産のマツヨイグサ
- 花の大きさは6~8cmにもなり、近年少なくなりつつある明治初期に渡来した北アメリカ原産のオオマツヨイグサ
- 各地で最も多く見られる、明治中期に渡来した北アメリカ原産のメマツヨイグサ(アレチノマツヨイグサ)
- 明治後期に渡来し戦後に広がりを見せた北アメリカ原産のコマツヨイグサ
分布や開花期、草丈、花の姿などに若干の違いは見られますが、同様に食用になります。
どの種類にも共通しているのは夕方に黄色の花を開き、翌朝にしぼむ点。
しかしまれに日中でも咲いていることがあります。
しぼんだ花びらは黄赤色に変わります。
秋に地上部は枯れ、ロゼット状になり越冬します。
マツヨイグサの食べられる部位と採取時期
11~4月の若苗、6~9月の花が食用になります。
冬のロゼット状の若苗を根元から切り取ります。
花は早朝に摘みますが、しぼみやすいので、その日のうちに調理します。
薬用としては、秋の地上部が枯れるころに根を掘り出します。
マツヨイグサの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
道端から空き地、土手、野原などに生育します。
メマツヨイグサの別名アレチノマツヨイグサは荒地を好むことから。
マツヨイグサの調理方法
- 若苗:おひたし、和え物、炒め物、天ぷらなど
- 花:酢の物、菓子、天ぷらなど
- 根:薬用
マツヨイグサにはクセはなく、やさしい食感。
ここでは、マツヨイグサのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
生花は冷凍保存すると色や香りが残ります。
ゆがく時は熱湯でさっと手早く茹でて水にさらします。
①天ぷら
葉も花も生のまま天ぷらにできます。
花は姿のまま、薄く衣をつけて低温でカラリとなるまで揚げます。
②酢の物
花や開花前のつぼみもさっとゆがき、酢の物、甘酢和えも合います。
③花をゼリーに
生のまま、固まる前のゼリーに入れて彩りを楽しみます。
マツヨイグサの薬効
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
民間療法では、秋の根を掘り取り煎じ、解熱剤として使っていたようです。
また、マツヨイグサ全草には利尿やむくみとり、下痢止めなどの効果があると言われています。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。