繊細な葉っぱはまるで山に生えるニンジンのよう。
シャクというこの植物は小さな白い花も可憐。
そんなシャクの、山菜として調べたことをまとめてみました。
シャクの基本情報
- シャク(芍):セリ科シャク属 多年草
- 別名:コシャク、ヤマニンジン、ノニンジンなど
- 自生地:北海道~九州
- 開花時期:5~7月
- 栄養成分:ミネラル、ビタミン、食物繊維など
- 薬用効果:健胃、整腸、消化促進、滋養強壮、頻尿、鎮咳去痰
シャクの特徴
山地から原野までに生育する多年草。
ニンジンの葉に似た、細かく裂けた柔らかい小葉をもちます。
草丈は1mを超えることもあり、初夏には白い小さな五弁花を沢山つけます。
花後、晩夏には黒い果実が熟します。
根茎は太く肥大化するので、地方によっては「山人参」とも呼ばれます。
葉は初秋には枯れますが、晩秋に再び越冬葉を出します。
シャクに似た毒草で、ドクゼリやドクニンジンがあります。
シャクにはセリ科特有のさわやかな香りがありますが、判別が難しい時は摘まない判断を。
シャクの食べられる部位と採取時期
主に若芽や若葉が食用になりますが、年に2回採取のチャンスがあります。
4~5月と、11月下旬のみずみずしい越冬葉。
生長した葉はかたいので、花が咲く前の若い芽を摘み取ります。
開花前のつぼみも食用にすることができます。
花が咲く前の先端10cmほどを摘み取ります。
シャクの採取場所
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
平地から山野のやや湿り気のある場所に群生します。
里山ではスギ林の林縁などにも見られます。
シャクの調理方法
- 若芽:天ぷら、和え物、おひたし、炒め物、煮びたし、汁の実など
- つぼみ:天ぷら、サラダなど
シャクはセリに似た香りがあり、生で食べることもできます。
ここでは、シャクのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
くせはなく、必要ありません。
塩漬けや乾燥させて保存することができます。
①天ぷら
若芽やつぼみは洗って生のまま天ぷらに。
薄く衣をつけて160~170度の油で揚げるとサクサクとした食感に。
②和え物
香りが無くならないよう、さっと茹でて使います。
ごま和え、酢味噌和え、マヨネーズ和え、白和え、辛子和えなど。
③サンドイッチに挟んで
ハムなどとともにバゲットに挟んでもおいしくいただけます。
シャクの仲間ハナウド
ウドと名はつきますが、分類はセリ科。
本州の関東以西に生育し、大型のオオハナウドは本州近畿以北に分布します。
河川敷など湿り気のある場所を好み、草丈は1mにも伸びます。
花は白いレースフラワー。
食用になり、4~5月の若芽とつぼみが利用できます。
ウドとセロリを合わせたような香りと食感を楽しめます。
北海道のアイヌの人々はオオハナウドを採取すると、生のものを豆などとともに煮物に入れて食べます。
乾燥させ保存食にもします。
参考になる本の紹介
この記事を作成するにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真などが掲載されていますので、ぜひご覧ください。