春の代表的な山菜の一つとして有名なゼンマイ。
特に東北地方が名産地で、採取したあとの作業は少し面倒・・・。
そんなゼンマイの、改めて調べたことをまとめました。
ゼンマイの基本情報
- ゼンマイ(薇):ゼンマイ科ゼンマイ属 多年草(シダ植物)
- 別名:ゼンメ、センコ、アオゼンマイ、ゼンノキ、ムラサキゼンマイ、ゼンメッコなど
- 自生地:北海道~九州
- 栄養成分:タンパク質、ペントザン、ビタミンA、B2、Cなど
ゼンマイの特徴
ゼンマイは日本だけでなく、中国、朝鮮半島、台湾、アジア東部にまで広く分布するシダ植物です。
平地から山地の湿った野原や崖地などに群生します。
春に茶色の綿毛につつまれた若芽を出します。
根出葉には、食用の栄養葉と胞子葉の2種類があります。
栄養葉は展開前は円形で厚みは薄く、展開後、1~1.5mに伸びます。
栄養葉の表面はつるっとしています。
胞子葉は球状で葉の表面は胞子がついているのでざらついています。
そして緑色の胞子を出すと薄黄色に変わります。
栄養葉より先に芽吹くので、群生地では栄養葉より背が高くなっています。
ゼンマイの名の由来は、若芽の形から。
先端が銭のように巻かれている様子「銭巻」からという説、銭が回転しているように見えるので「銭舞」からという説などがあります。
また時計のぜんまいは、この植物が由来となっています。
ゼンマイの食べられる部位と採取時期
4~6月の新芽を採取します。
地方別の適期の目安としては、四国・九州地方では3~4月、関東・中部地方は4月、東北地方では4~5月、北海道は5月ごろ。
雪国では7月ごろまで採取できる場所もあります。
よく観察して、葉がつるっとした栄養葉のほうを採取します。
太くて柔らかいものほど高級品です。
ゼンマイの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
平地から高山の湿地、山すそ、沢沿いなどに自生します。
毎年同じ場所に生えるので覚えておきます。
ただし最近は採取のしすぎか、大きな群落は山奥でしか見られなくなっているようです。
今後のためにも、胞子葉だけでなく栄養葉も採り過ぎないようにしましょう。
ゼンマイの調理方法
- 新芽:おひたし、煮物、和え物、炒め物、汁の実など
アクが強くしたごしらえは必須ですが、手間をかけてでも味わう価値のあるゼンマイ。
ここでは、ゼンマイのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
綿毛を取り、木灰か重曹を入れた湯に入れ落とし蓋で冷まします。
木灰の方がおいしくなるようです。
アク抜きしたものは塩漬けや干して保存できます。
①おひたし
ゼンマイそのものの味はほとんどありませんが、独特の食感を楽しめます。
②炒め物
サラダ油でも良いですが、バターで炒めるとほんのり香ばしくなります。
③煮物
干しゼンマイを戻して煮物に。
しっかり味付けをして。
干しゼンマイの戻し方
市販品で干しゼンマイを購入した場合、戻すのに少し時間と手間がかかります。
- 器にたっぷり水を張り、干しゼンマイを一晩漬けたままにします。
- 翌日水を捨て、鍋に移し新しい水を入れ、弱火~中火でゆっくり加熱します。
- 沸騰する前に火を止めて、そのまま冷まします。
- お湯がぬるくなったら手で揉みほぐし、水を替えて再度火にかけます。
- 同じ手順で合計3回行います。
- ゼンマイがふっくらとしてきたらできあがり。
ゼンマイの薬用効果
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
7~8月の生長したゼンマイを採取し、日干しにしたものを煎じて服用すると、利尿や貧血に効果があると言われています。
ゼンマイを気軽に食べる方法
「ゼンマイを食べたいけど、山まで採取に行けない」
という方は、通販で購入することもできます。
こちらは中国産ではありますが、水煮なので戻す手間なくそのまま使えます。
国産が食べたい、という方には干しゼンマイがあります。
戻すのに少し手間はかかりますが、やはり国産だけあって安心感が違います。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。