植物名はクサソテツ。
一般的には、山菜名のコゴミの方が良く知られています。
そんなコゴミの、改めて調べたことをまとめました。
コゴミの基本情報
- コゴミ(クサソテツ):コウヤワラビ科(イワデンダ科)クサソテツ属 多年草
- 別名:コゴメ、アオコゴミ、ヤマドリカクシ、ヤマソテツ、ガンクソ、ガンソクなど
- 自生地:北海道~九州(四国は少なめ)
- 栄養成分:ビタミンA、C、E、K、食物繊維
- 薬用効果:抗酸化作用、解熱、整腸
コゴミの特徴
促成栽培もされる、ワラビやゼンマイと同じ仲間のシダ植物。
コゴミの名の由来は、新芽の姿が人がかがんでいるように見えることから。
かがむ→こごむ→こごみ、と変化しました。
野生のものは、主に雪の深い山地の湿地に群生しています。
雪解けとともに芽吹くので、雪の解け出しを追いかけて探します。
新芽は先端が丸く曲がり、輪状に束になって生えます。
生長するに従ってだんだんと葉を広げていきます。
葉は生長すると50~150cmにもなり、ソテツの葉のような姿になります。
このことから、植物名のクサソテツの名前がつきました。
生長した葉は美しく、日本庭園などにも用いられています。
コゴミの食べられる部位と採取時期
新芽を採取します。
山地の雪解けの時期、大体4~5月ごろが適期です。
地域別では、関東・中部・関西地方以西では4~5月、北海道と東北は5月が目安。
ゼンマイと異なり、胞子葉は秋に芽吹きます。
採取時に食用になる栄養葉との違いを意識しなくて済むので、初心者でも採取しやすい山菜です。
コゴミの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
雪深い山の、日当たりが良く湿り気の多い場所に群生します。
一株から何本も新芽が出てきます。
採取は根元から手で折り採ります。
全て採らず、翌年のために数本残しておきましょう。
コゴミの調理方法
採取したコゴミは、新鮮なうちに調理しましょう。
- 新芽:おひたし、和え物、炒め物、天ぷら、汁の実など
ビタミンB1分解酵素のチアミナーゼを含んでいるので、加熱処理をしてから食べます。
コゴミはくせがなく、アクも苦味もありません。
ここでは、コゴミのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
熱湯で2~3分、軽く茹でる程度にします。
塩漬けで保存することもできます。
①おひたし
洗って茹でるだけでおいしくいただけます。
緑鮮やかな見た目とシャキシャキした歯ごたえを楽しめます。
淡泊な味なので、醤油やマヨネーズなど、味付けが大事。
②天ぷら
生のまま衣をつけて天ぷらにします。
揚げたてを天つゆで。
③炒め物
したごしらえしたコゴミをお肉とともに軽く炒めます。
気軽にコゴミを楽しむ方法
「コゴミを食べてみたいけど、山に採りに行くのはハードルが高い」
「近くのスーパーに売っていない」
という方は、通販を利用することもできます。
山菜なので販売時期は決まっていますが、確実に手に入れることができます。
沢山あれば、いろいろな調理方法を試すことができますね。
コゴミに似た仲間①キヨタキシダ
アカコゴミやイッポンコゴミ、アブラコゴミとも呼ばれるキヨタキシダ。
茎が赤っぽく、コゴミと異なり1本ずつ茎を立てて生える特徴があります。
こちらも食用として利用でき、4~5月、高山では6月でも採取できます。
生長が早いので、採取も早めにします。
アクは無く、コゴミよりも油っこくて風味豊か。
したごしらえは茹でるだけで良く、おひたしや和え物、炒め物、煮びたしなどでおいしく食べられます。
コゴミよりもおいしいと言う人もいます。
コゴミに似た仲間②ジュウモンジシダ
ショシカコゴメ、カスコゴミとも呼ばれる、多年生シダ。
全国各地の山地や林床、沢沿いなどやや湿り気のある場所に自生します。
全体の形が十文字になるので、ジュウモンジシダという名前がつきました。
4~6月の、葉先が丸まっている若芽が食用になります。
天ぷらやおひたし、和え物、炒め物に向いています。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。