山地に生える、黄色い花を咲かせるハンゴンソウ。
漢字では反魂草と表し、その由来は死者の魂を呼び戻すといわれたり、葉の裂片が幽霊の手に似ているからといわれたりします。
そんなハンゴンソウの、食用として調べたことをまとめました。
ハンゴンソウの基本情報
- ハンゴンソウ(反魂草):キク科シオン属 多年草
- 別名:ヤマアサ、ナナツバ、イツツバ、タツミアガリ、イトナ、ヤチウドニンギョソウなど
- 自生地:北海道、本州(中部以北)
- 開花時期:7~9月
ハンゴンソウの特徴
比較的標高の高い場所に生える大型の多年草。
雪融けのころの芽吹きの姿は全体的に紫色を帯び、生長すると緑色になります。
横に伸びる根茎から茎を直立させて草丈は2mにも達します。
葉は20~30cmの大きさで広卵形で鋸歯があります。
夏には茎先に2cmほどの黄色い頭花を多数咲かせます。
似た仲間で北アメリカ原産の帰化植物オオハンゴンソウがありますが、こちらは食用にはなりません。
また、芽立ちのころは全草に毒をもつハシリドコロと似ています。
ハンゴンソウは葉を折ると全草にキク科特有の香りがあるので判別できます。
ハンゴンソウの食べられる部位と採取時期
5~6月の若芽を摘み取ります。
草丈30cm以内の太くて柔らかいものを選び、生えぎわから折り取ります。
切り口はすぐに変色していきます。
葉はそぎ落とし、茎のみを持ち帰ります。
キク科の強い芳香(キド臭)があるので、他の山菜とは別の袋に分けます。
ハンゴンソウの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
標高の高い山地の林縁や草地、沢筋の斜面や湿地などにまばらに群生します。
湿り気のある日当たりのよい場所を好んで生えます。
ハンゴンソウの調理方法
- 若芽:おひたし、和え物、煮物、炒め物、天ぷら、酢の物など
ハンゴンソウは強烈な香りと苦みがあるので、しっかりとしたごしらえをしてアク抜きをします。
ここでは、ハンゴンソウのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
塩ひとつまみ入れた熱湯で15分ほど茹でた後、冷水に一晩さらします。
その後塩漬けで保存することもできます。
①おひたし
したごしらえをしたものを絞って食べやすい大きさに切り、盛りつけます。
かつお節や醤油をかけていただきます。
②天ぷら
天ぷらは生のまま衣をつけて揚げますが、苦味が強いので山菜通向け。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。