キクイモのお茶を飲んで健康を取り戻した人と会いました。
とあるカフェの年配のご主人は糖尿病を患っていたそうで、キクイモのお茶を飲んでからインシュリン注射が必要なくなったとのお話を聞きました。
夏に咲かせる黄金色の花が印象的なキクイモ。
冬に採れるイモは澱粉をほとんど含まず、主成分はイヌリンという糖質。
糖尿病患者の食事療法やダイット食に利用されます。
そんなキクイモの採取や楽しみ方をまとめてみました。
キクイモの基本情報
- キクイモ(菊芋):キク科ヒマワリ属 多年草
- 別名:カライモ、シシイモ、ブタイモ、アザミイモ、アレチイモ、イモヒマワリなど
- 自生地:日本各地(帰化植物)
- 開花時期:8~10月
- 栄養成分:食物繊維、多糖類イヌリン、ビタミン類、葉酸、ナイアシンなど
- 薬用効果:糖尿病、利尿、食欲増進、整腸、腫れ物など
キクイモの特徴
北米原産の帰化植物で江戸時代末期に渡来しました。
かつて戦中戦後の食糧難の時に栽培を推奨されましたが定着せず、野生化しました。
荒地などでも育ち、繁殖力は旺盛。
草丈は1~3mにも伸び、土中にショウガに似た塊茎を持ちます。
葉は楕円形で先端は尖り、20~30cmの大きさになります。
夏から秋にかけて菊のような黄色い花を咲かせます。
花後、地上部は枯れます。
近年、塊茎には血糖値を下げる働きが注目され、健康食として見直されるようになりました。
また葉にもビタミンや鉄、カルシウムが多く含まれています。
キクイモの食べられる部位と採取時期
春先の新芽と、塊茎のイモが食用になります。
新芽は、関東地方以西では4月、東北地方は5月、北海道では6月が採取の適期。
イモは地上部が枯れる秋から冬に掘り出します。
また、花びらもエディブルフラワーとして利用できます。
キクイモの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
かつて栽培されたもののため、人家の側や畑の縁などに見られることがあります。
土手や川原、野原、空き地や荒地などでも育ちます。
気候の変化にも強く砂漠でも育ち、栽培は容易。
庭で育てられることもあります。
※採取が難しい方は、田舎の直売所でも扱っていることがありますよ。
キクイモの調理方法
採取した塊茎は、すぐに利用しない場合は土に埋めて保存します。
または泥のついたまま新聞紙などに包んで冷蔵保存します。
- 新芽:おひたし、和え物、天ぷら、炒め物、お茶など
- 塊茎:生食、サラダ、天ぷら、炒め物、漬け物、焼き物、きんぴら、煮物、お茶など
- 花びら:生のまま飾り
塊茎は独特の香りと風味があり、低カロリーでダイエット食にもなります。
ここでは、キクイモのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
新芽はアクがあるので、塩ひとつまみを入れた熱湯で茹で、冷水にさらします。
塊茎にはノンカロリーの糖質イヌリンを含みますが水溶性で土を洗うと減少します。
なので調理直前に洗い、輪切りにしてから酢水につけてアク抜きします。
①天ぷら
新芽も塊茎も生のまま衣をつけて揚げます。
塊茎はスライスして調理します。
②漬け物
塊茎は塩漬け、味噌漬け、辛子漬け、ぬか漬け、柏漬けなど、幅広く合います。
③おやつ
塊茎をスライスして天日干しし、その後トースターで焼くとヘルシーなおやつに。
少し塩を振ってもよいでしょう。
④お茶
塊茎を細かく切って乾燥させてに出せばキクイモ茶に。
味はクセはなく紅茶にも似ていますがノンカフェインです。
飲み終えた残りは食べることができます。
キクイモ似た仲間イヌキクイモ
同じく北米原産の帰化植物で、キクイモと見分けるのが困難なイヌキクイモ。
生育場所もキクイモと似ています。
花期はキクイモより少し早く、夏の炎天下でも元気よく黄金色の花を咲かせます。
しかし地中の塊茎は赤っぽく、キクイモよりも小さい紡錘形。
水分も少なく食感はボソボソします。
調理法としては味噌漬けがおすすめ。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。