【宮城県・石巻】金華山黄金山神社の年越し参籠に行ってきた【2022→2023】

お出かけ

年末年始は一年の中で最も特別な時間。
年越しは家族や親しい人と過ごしたり、あるいは仕事をしている間にいつの間にか新年を迎える人もいるとか思います。

私は「この年末年始は特別なことをしたい」と思いました。
そこで宮城県の離島で年越しを過ごしてみることにしました。

金華山黄金山神社とは

金華山は宮城県石巻市の洋上にある孤島。
我が国最初の産金という史実があり、金運にご利益のある黄金山神社があります。
「3年連続でお参りすると一生お金に困らない」と言われています。

公式HP:金華山黄金山神社

神社の敷地以外は国有地で、島内の居住者は神社関係者のみ。
一般住宅やお店などはありません。
そのような環境のため、訪問者はご利益にあずかりたいと訪れる参拝者のみになります。
(野生の鹿や猿は沢山います。)

フェリーで行って、時間に気を付けながらとんぼ返りという方法ももちろんありますが、金華山黄金山神社では昔から参籠(おこもり)の風習が続いています。
参集殿という宿泊施設もありますので、島内をゆっくり周りたい方、落ち着いた環境でご利益を求めたい方は検討されては。

 

金華山黄金山神社年越し参籠の予約

年越し参籠に興味があるようでしたら、早めに予約を取りましょう。
万が一直前のキャンセルとなった場合でもキャンセル料はかからないので、とりあえずでも抑えておいた方が良いです。
ちなみにキャンセル待ちをすることもできます。

私は2022年9月14日に電話予約を入れました。
対応してくれた女性からは「お一人でご宿泊の場合、同性同士の相部屋になることをご了承ください」といったお話がありました。

 

金華山黄金山神社までの道のり

金華山へは女川港または鮎川港からフェリーを利用します。
女川港からは(株)潮プランニングさんが、鮎川港からは(株)金華山観光さん、シードリーム金華山汽船(株)さん、海上タクシーなべちゃんさんの船で行くことができます。

私は女川から向かいました。
潮プランニングさんは予約は2ヶ月前から受け付けとのことで、11月に入ってすぐに電話を入れました。

往復3,500円。
現地支払いで現金の他キャッシュレス決済サービスも利用できます。
予約制ですが、キャンセルの場合でもキャンセル料はかからないので、迷っている方はとりあえず予約を入れておくと良いです。

12時出発の便。
所要時間は40分とホームページに書かれていますが、実際行きは50分かかりました。

 

 

夏の時期なら外の席が気持ちよさそうですが、冬は無理せず船内へ。
乗船率は85%ほどでした。
写真はありませんが、この日はたまたま野生のアザラシを見ることができました。
一匹だけでしたが、何匹かが女川港近くに来ている、とのことです。

 

金華山到着後からの参籠スケジュール

 

金華山の桟橋に到着すると、黄金山神社から送迎車が来ます。
自力で元気よく歩く人も沢山いますが、割と足にきそうな上り坂。
スーツケースなど荷物の多い人や体力に自信のない人は送迎車を待ちます。

送迎車で黄金山神社まで到着すると、まずは受付。
宿泊費は2食付き10,000円(祈祷料別途)。
タイムスケジュールの説明や、翌日の朝食の時間を決めるためにご来光を見に行くかどうかの確認をされます。
※ご来光を見に行く場合、真っ暗な中での登山となるため懐中電灯や装備が必要となります。(但しボランティアの人が先導してくれ、年配の方も参加していました。)

受付が終わると、タイムスケジュールやお部屋番号などが書かれた紙を渡されます。
覚えていられないので助かります。

  • 大祓式 17:00~(約30分)
  • 潔済(入浴) 17:30~18:30
  • 直会(夕食) 18:30~
  • 一番大護摩祈祷 0:00~(約1時間)
  • 朝食 翌日7:30~、または8:00~

受付後、宿泊施設の参集殿に荷物を置いたら自由行動です。
神社への参拝や境内末社を巡ったり、鹿と戯れたり。(至る所に鹿の糞が落ちているのでご注意。)
明るいうちに金華山山頂にある奥の院、大海祇(おおわたつみ)神社へ登ることもできます。
(往復の時間は男性は2時間、女性は3時間くらいが目安。)
島をぐるっと一周することもできるようですが、訪れた時は道が崩れており先に進めない場所もありました。

 

宿泊施設 参集殿

 

参集殿の入り口は建物の3階、宿泊部屋は4階、5階。
エレベーターもあります。
部屋の扉に宿泊者の名前や住所(○○市)が書かれているので分かりやすいです。
ちなみに扉に鍵はありませんので貴重品管理には注意。

部屋に入ると既に布団が敷いてありました。
フカフカで暖かさは申し分なし。
部屋の中にはお茶セットとお菓子、浴衣、灯油ストーブ、ごみ箱、タオル掛けはありますが、タオルを含むアメニティやテレビはありません。
コンセントは一か所ですが、コンセントタップがついていました。
同室の人たちで確認しながら使いました。

参集殿にはスリッパがありません。
御祈祷の時には参集殿からつながる廊下を渡ってそのまま畳敷きの祈祷殿や本殿へ上がるので、スリッパはむしろ邪魔になります。
ですが床が冷たいのは確か。
厚手のソックスを履くようにすると良いです。
※祈祷殿や本殿も寒いです。コートを着て正座しやすい緩めの裏地あったかパンツを履いての参加がおすすめ。

御祈祷や夕食前には館内放送が流れます。

 

一度目の大護摩祈祷(大祓式)

17時前になると、館内放送で祈祷殿にお集まりくださいとの案内があります。
祈祷殿へ向かう廊下で、あらかじめ形代に自分の名前と年齢を書かされます。(これは参集殿ロビーにも準備がありました。)
それを書き終わると儀式で使用する包み紙を受け取ります。

祈祷殿には大きな太鼓が吊るされており、神職の方が始まりの合図をします。
参加している人たちは宿泊者のみ。
普段正座し慣れていないので、結構きつい。

途中で、各々で行う、受け取った包み紙を使う儀式があるのですが、手順が良く分からず隣の人に教えてもらいました。。
(包み紙を開くと細かく切った和紙が入っており、それに息を吹きかけ、自分の肩の左、右、左とパラパラかけます。神職の方々も行っていました。)

 

お風呂タイム

大祓式後の17時半~18時半の1時間はお風呂の時間。

ベテラン参籠者の知恵ですが、大祓式の前に浴場の脱衣所にタオルや着替えなど自分のお風呂グッズを置いておくとスムーズ。
大祓式が終わったらその足でお風呂に直行できます。

脱衣所には荷物置き場が9か所。
この日はキャパオーバー、宿泊者全員が一度に使うことはできません。
洗い場のシャワーは4か所あります。
リンスインシャンプーやボディソープもありました。

一番風呂!と喜ぶのもつかの間、後に待っている人のことを考えると、のんびり浸かって温まることもできません。
(案の定、脱衣所に戻ると行列を作って待っていました。)
一年間の締めくくりのお風呂なのに、バタバタです。

落ち着いて入りたい人は、18時以降に行ってみると良いかもしれん。
※ドライヤーは無いので各自用意が必要です。

 

二度目の大護摩祈祷(歳旦祭)

歳旦祭に備えてウトウト仮眠を取っていると、除夜の鐘が22時47分頃から始まりました。
参拝者もつくことができるのですが、つきに行った人の話では、櫓が壊れているとかで来年からは中止になるということだそうです。(直さないんだ…。)

真夜中0時になると、いよいよ歳旦祭及び新年一番大護摩祈祷が始まります。
参加者は宿泊者だけでなく、潮プランニングさんのフェリー「2年参り便」で23時前に到着した人たちも加わります。

もうこの時になると、人数も多く足を崩している人、あぐらや体育座りをしている人もいました。
足の悪い年配者には椅子も用意されます。

歳旦祭では神職の方々が申込者の住所と名前を読み上げます。
(複数人が同時進行で読み上げるため、自分の名前は聞こえませんでした。)
玉串奉奠は常連の方々が先に行い、その後は祈祷料順で呼ばれました。
この時、申込者の名前と住所が読み上げられるのですが、北海道や大阪などが聞こえ、全国からこの場に参列していることが分かりました。

大護摩祈祷が終わると、本殿昇殿参拝をすることができます。
(本殿へは特別な期間にしか昇殿できないようです。)

階段を登り、新年の厳かな空気を感じながら、星空の下で静かに参拝することができました。

部屋に戻ると、もうあとは寝るだけです。
ご来光を見に行く人は4時頃に起床していました。

 

参集殿での食事は?

直会(夕食)はお風呂の後。館内放送が入ります。
夕食は参集殿2階の大広間で。
宿泊者全員が揃っての食事となりますが、きちんとコロナ対策がなされています。
長テーブルに互い違いで席が設けられ、ソーシャルディスタンスがとられています。

皆で乾杯をし、食事が始まります。

やはり島での食事は海産物がメインですが、馬刺しやグラタンも。
周りの人たちと談笑しながら美味しくいただきました。

 

 

飲み物が充実しており、一人一本ずつの日本酒(お神酒)、瓶ビール、瓶入り炭酸飲料に麦茶など選び放題です。
私はビールが飲めないので隣の人にあげました。

***

朝食は、ご来光を見に行くか行かないかで時間が若干ずれます。
ご来光を見に行かない場合は7時半から、見に行く人は8時から準備されます。(館内放送なし。)
席は前日と同じ場所。

 

 

朝食の内容はかなりシンプル。
少し物足りないと感じる人もいると思います。

行きのフェリーで船長さんが「物資は私たちが運んでいます。食材も限られた中で提供していますので、ご理解いただければと思います」といったことをおっしゃっていました。
この環境なので、念のためにと自身で非常食を持ってくる人も結構多いです。

ちなみに箸袋はちょっとした占いのように、一人ひとり異なる四字熟語が書かれていました。
私の箸袋には「商売繁盛」。(私は会社員なので、ちょっと合っていないような…?)
他の人は「一攫千金」「一粒万倍」など、基本的にお金にまつわる言葉が書かれていました。
箸袋を持ち帰り一年間心に留めておく、という人もいます。

※2食ともおしぼりが出てきません。
手や口元の汚れが気になることもありますので、ウェットティッシュ、ポケットティッシュを持って行くことをおすすめします。

 

御祈祷での授与品

 

御祈祷料は5,000円から。
私は今回5,000円でお願いしました。
最初は10,000円と書いたのですが、見本の御札の大きさを見て変更しました。
※5,000円でも大きいです。(厚みもある。)
自宅でお祀りできないこともありますし、もしかしたら神社で預かってもらうという選択肢もあるかもしれません。
受付時に相談してみましょう。

そのほか御守、不織布の開運干支財布、御神筆(HBの鉛筆)をいただきました。

お財布は丁寧な縫製で、内側におめでたい兎の絵が。
元々持っているこの手の入れ物が汚れてきたので、今回こちらに新調し通帳やカードを保管するのに使おうと思います。

鉛筆は袋に「毎日お願い事をこめてお書き下さればご加護が得られます。」と書かれてあったので、ノートに願い事を書きまくることにします。

 

 

ちなみに私は御朱印は集めていないのですが、3年連続で御祈祷を受けて御朱印を貰うと、その証としてクリスタルの弁財天様の彫り物を授かれると聞きました。
話を聞くに、こんなイメージでしょうか・・・?

 

金華山に魅了される人々

今回同室だった人たちは3年連続どころか、何年も通われているとのことでした。
年末年始の恒例行事として訪れているとか。

「そんなに通われているということは、ご利益凄いんですか?」

と尋ねると、

「んー、でもお金に困ることは無いので」

とのこと。
行きのフェリー内でも「お久しぶりです」といった挨拶を交わす人の姿も見られました。
更に話を聞くと、何十年も通われている年配者や、若い時に訪れて以来毎年訪れて来島者を案内する人なども。
みな金華山に魅了されてます。

金華山はフェリーに乗船できる人数しか訪れることができず、宿泊可能人数も限られています。
中には「キャンセル待ちで滑り込みでした!」という話も聞きました。

できるだけ多くの希望者が大晦日の参籠に参加できればと思いました。

 

おわりに

以上、金華山黄金山神社での年越し参籠体験でした。
ちなみに帰りのフェリーは9時20分発でしたので、9時頃に神社内の「神符授与所・売店」前から出発の送迎車に乗せてもらって桟橋まで向かいました。

せっかく2年分お参りをしたので、来年も必ず訪れたいと思います。
次は女川港近くで宿を取って夜から2年参り便での参加も考えています。

当初、記事にするつもりは無く写真も少ないですが、あまりネット上に具体的な情報が見られなかったので今回書きました。
2022年末~2023年の記録であり、読まれることは少ないと思いますが必要な方の役に立てれば。

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