キク科には食用になるものがいくつかあります。
山菜としては、東北地方では昔から食べられていたゴマナ。
しかし他の地域ではあまり知られていないようです。
そんなゴマナの採取方法や楽しみ方などをまとめてみました。
ゴマナの基本情報
- ゴマナ(胡麻菜):キク科シオン属 多年草
- 別名:ゴマノハギク、ヤマクキダチ、ゴマメギク、ヤマクキタチ、サワクキタチなど
- 自生地:北海道~九州
- 開花時期:8~10月
ゴマナの特徴
山地の草原などの日当たりの良い場所に見られます。
全体に白く、ビロード状の細かい細毛が見られます。
生長すると草丈は1~1.5mほどになります。
葉は細長い楕円形で15~25cmにもなり、縁には粗い鋸歯があり、ごわごわした感触。
この葉の形がゴマの葉に似ていることが菜前の由来になりました。
夏から秋に、分枝した茎先に1.5cmほどの小菊に似た白い頭花をつけます。
キク科の仲間で同様に食用になるものに、ヨメナ、ノコンギク、シラヤマギクがあります。
ゴマナの食べられる部位と採取時期
4~6月の若芽が食用になります。
地方別では関東・関西地方以西は4月、中部地方は4~5月、北海道・東北地方は5月が採取の適期。
10~20cmほどの、葉が開く前の柔らかく白っぽい若芽を根元から刃物で切り取ります。
若芽は生長すると白っぽさがなくなります。
ゴマナの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
少し標高の高い涼しい山間地、野原、河川、丘陵、小川の縁など。
平地から山地までの明るい湿った場所に見られます。
大小の群落を作ることが多く、見つければ沢山採取することができます。
キク科は似ているものが多いので、区別が難しい時は夏の花の時期に場所を覚えておきます。
ゴマナの調理方法
採取したものは、できるだけ早く調理するようにします。
そうすることで苦味を防ぐことができます。
- 若芽:おひたし、和え物、炒め物、汁の実、天ぷら、鍋物、菜飯など
ゴマナはアクとキク科特有の香りがあります。
ここでは、ゴマナのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
塩ひとつまみを入れた熱湯で7~8分茹で、冷水に10分ほどさらします。
①おひたし、和え物
したごしらえをし、水気を切ったら食べやすい大きさに切り、盛りつけます。
香りや苦みがきつい時は味噌だれやごま、ピーナッツ和えなどにすると良いです。
さっぱりした味と歯ごたえを感じられます。
②天ぷら
若芽を生のまま衣をつけ、天ぷらにします。
ゴマナに限らず細かな毛があるものは衣がつきやすいので、天ぷらがよく合います。
③菜飯
したごしらえをしたものを細かく刻んでご飯に混ぜます。
野趣あふれる香りを楽しむことができます。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。