浜辺を彩る花ハマナスの採取と食べ方【食べられる山野草】

浜辺を彩る花ハマナスの採取と食べ方【食べられる山野草】

初夏の海岸で色鮮やかな花を咲かせるハマナス。
強い香りをもち、興味本位でうっかり触ろうとすると大変なことになります。

そんなハマナスの採取や楽しみ方をまとめてみました。

ハマナスの基本情報

 

  • ハマナス(浜梨):バラ科バラ属 落葉低木
  • 別名:ハマナシ
  • 自生地:本州鳥取・茨城以北沿岸と北海道
  • 開花期:6~8月
  • 栄養成分:ビタミンCなど
  • 薬用効果:下痢、血流改善、疲労回復、不眠、月経不順など

 

ハマナスの特徴


海岸の砂地に自生する低木。
高さは1~1.5mほどにもなり、匍匐枝を伸ばし繁殖します。
バラ科だけあって茎には太く鋭いトゲを密生させます。
バラの品種改良に使われた原種の一つ。

葉は楕円形の小葉で縁に鋸歯があります。
夏には枝先に直径8cmほどの濃桃色の5弁花を咲かせ、強い芳香を放ちます。
この花からはローズ油を採ったり、香水の原料にも使われます。
花後には直径2~3cmほどの球形の果実が熟し、ローズヒップとして活用されます。

9~11月には古い葉が黄色く紅葉します。

ハマナスという名前は、元々はハマナシが訛ったもの。
漢字は浜梨と書き、浜に生え、梨のように食用可能な果実をつけることから。

 

ハマナスの食べられる部位と採取時期

6~8月の花、7~8月の果実が食用になります。

果実は粒が大きく、少量の収穫だけでも食を楽しむことができます。
鋭いトゲがあり、果実にも根元に細いトゲが多いので軍手などをして摘み取ります。

ハマナスの採取場所と注意

 

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

海岸や砂地の岩場などに自生します。
大きな群生になることが多いです。

開花期は潮の香りに負けないくらいの強い香りがあります。

 

ハマナスの調理方法

  • 花:ジャム、花酒
  • 果実:生食、ジャム、果実酒など

赤く熟した果実は生食もできます。
ここでは、ハマナスのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

 

①ジャム 
花は香り高いジャムに。
果実も、生でかじって甘みが少ないようなら砂糖を加えてジャムにします。
長期保存ができ、長く楽しむことができます。

②花酒、果実酒 
花は白ワインに漬けて10日ほど経つと香り高い花酒に。
果実も薬用酒となり、豊富に含まれるビタミンCが健康に良いです。

 

ハマナスを手軽に楽しむ方法

近年は自生地が減少し、観賞用として園芸種も多くなりました。
ハマナスは自宅のお庭に苗を植えることもできます。
日なたの、水はけの良い土壌であればそれほど手をかけなくても育てることができます。

 

参考になる本の紹介

この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。