春に、日本各地の水田地帯などで、蓮華畑を見かけます。
子どもたちの花かんむりや首飾りなどの草花あそびに使うレンゲソウ。
そんなレンゲソウが食べられるとのことで、調べたことをまとめました。
レンゲソウの基本情報
- レンゲソウ(蓮華草):マメ科レンゲ属 越年草
- 別名:ゲンゲ、ゲンゲソウ、ノエンドウ、ホウゾウバナなど
- 自生地:日本全土
- 開花時期:4~6月
レンゲソウの特徴
レンゲソウの名の由来は、花の形が仏様の座っている蓮華台に似ていることから。
古い時代に中国から持ち込まれた帰化植物で、日本各地の水田地帯などで野生化しました。
レンゲソウは空気中の窒素を採り込んで地中の根粒菌と共生して地中の窒素を増やすため、緑肥として広く利用されてきました。
化学肥料の普及とともに一時期は見ることが無くなりましたが、最近では有機栽培農家などで再びその価値が見直されています。
稲を収穫した後の水田に、レンゲソウの種子をまいて栽培するところが増えてきました。
またレンゲソウはミツバチの大好きな植物。さかんに蜜を吸いに飛んできます。
レンゲソウの外観
茎は分枝しながら地面をはって伸び、高さは10~25cmくらいになります。
葉は小さな羽状複葉。
4~6月ごろに花茎を伸ばして紅紫色や白色の花をつけます。
花は昼間は上向きに咲き、夜は下向きに垂れます。
勾玉のような小さな種をつけ、秋に発芽し、ロゼット状の株になって越冬します。
レンゲソウの食べられる部位
レンゲソウは花、つぼみ、若芽、葉が食べられます。
花やつぼみ、若芽は茎ごとを採取します。
葉は、葉先から10cmくらいのところを摘み取ります。
レンゲソウの採取時期
3~5月の、桜の花の時期が目安ですが、暖地では秋からも利用できます。
地方別では、四国・九州地方は10~4月、関西地方は3~4月、中部地方は4月ごろ、関東地方では4~5月、東北地方は5月ごろが適期です。
その頃、越冬した株が急に大きく育ちます。
葉が開ききって大きくなってしまったものはおいしくありません。
レンゲソウの採取場所と注意
田んぼなどの私有地は、所有者に確認をとりましょう。
他にも、公園や野原、土手などでも野生化したものが見られます。
採取時、花の蜜を目的に蜂が飛んでいることもあるので注意しましょう。
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
レンゲソウの調理方法
レンゲソウはしおれやすいので、採取したら早めに調理しましょう。
部位によっておすすめの調理法があります。
- 花、つぼみ:サラダやトッピング、天ぷら、三杯酢、シロップ煮、酢の物、ゼリーなど
- 若葉、若芽:天ぷら、和え物、おひたし、煮びたし、バター炒めなど
ほとんどクセがないので、食べやすい食材です。
ここでは、レンゲソウのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
下ごしらえ
洗って生でも食べられますが、若芽、若葉、花ともに茹でて水にさらします。
①天ぷら
花のつぼみや咲き始めの花、開く前の若葉がおいしい。
②和え物
若葉は茹でて水にさらしてからマヨネーズ和え、ごま和えなどに。
③花は生のままサラダに
花は生でも食べられます。そのかわいい姿を生かして。
④レンゲソウ茶
お茶にすると、利尿、解熱作用があるとも。
レンゲソウの薬効
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
レンゲソウには以下のような薬効があるといわれています。
- 地上部全草:下痢や利尿に、開花期に採取して日干しにしたものを煎じて服用します。
- 生の葉:絞り汁を軽いやけどに塗布すると回復を早めるといわれています。
参考になる本の紹介
記事の参考にさせていただいた本は以下になります。
より詳しい情報やレシピ、写真などが掲載されていますので、よろしければご覧ください。