ツリガネニンジンは食べられる?採取方法と調理法【食べられる山野草】

食べられる野草・山菜

秋、山道を歩いていると、薄紫色の釣鐘状のかわいらしい花に出会うことがあります。
ツリガネニンジンという山野草です。

そんなツリガネニンジンが食べられるとのことで、調べたことをまとめました。

ツリガネニンジンの基本情報

  • ツリガネニンジン(釣鐘人参):キキョウ科ツリガネニンジン属 多年草
  • 別名:トトキ、トトキニンジン、ツリガネソウ、アマナ、ヌノバ、ミネバなど
  • 自生地:日本全国
  • 開花時期:7~10月
  • 成分:サポニン、イヌリンを含む

 

ツリガネニンジンの特徴

全国各地に自生する多年草で、草丈は高いと1mにもなります。
3~5枚の、縁にギザギザのある長楕円形の葉が茎に輪生または対生、互生します。
茎や葉を切ると臭いのある乳液が出ます。
地下に太くてまっすぐな根があり養分を貯蓄しているので、夏に刈り取ると速やかに葉を伸ばし回復します。
根生葉は花どきには枯れます。
7~10月ごろ、うつむいた釣鐘形の可憐な青紫色の花をいくつもつけます。

別名のトトキはツリガネニンジンの古い呼び名で、韓国語のトトク(ツルニンジンの意味)と紛れてついたとされます。

 

ツリガネニンジンの食べられる部位と採取時期

食用部位は葉と花、そして

3~6月に若芽や若葉などのやわらかいものを摘みます。
地方別の適期は、4月は関東・関西・中国・四国・九州地方、4~5月は中部地方、5月ごろに北海道・東北地方。
花は7~9月に。
は年間を通して採取できますが、薬用として採取する場合は8~9月
チョウセンニンジンに似た根は強壮強精作用があります。

 

ツリガネニンジンの採取場所と注意

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

山地の林床、山道わき、野原、土手などの日当たりの良いところに自生してます。
集団を作って群生するので、花が咲いていると分かりやすいです。
春に摘むのに分かりにくい場合は、秋に花の位置を覚えておきましょう。
翌春には新芽を採ることができます。

 

ツリガネニンジンの調理方法

部位によっておすすめの調理法があります。

  • 若芽、若葉:おひたし、各種和え物、油炒め、天ぷら、汁の実など
  • 花:酢の物、サラダなど
  • 根:和え物、きんぴらなど

臭いは少しありますが、アクは弱めで淡泊な味。調理しやすいです。
※根に弱い毒性がありますが、煮れば食べられます。

ここでは、ツリガネニンジンのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

したごしらえ 
塩を一つまみ入れた熱湯で5分ほど茹で、水に7~8分さらします。
保存には乾燥、または塩漬けもできます。

①若芽や若葉のおひたし 
若芽や若葉はしたごしらえをしてからおひたしにすると臭いも少なくなり、食べやすくなります。
かつお節やゴマをかけて。

②若葉の天ぷら 
若葉の汚れを洗い落とし水を切り、一つずつ衣をつけて中温の油で揚げます。

③花のサラダ 
花には味はありませんが、生のままレタスやキュウリなどのサラダの飾りつけに。
ドレッシングをかけていただきます。

③根のきんぴら 
洗って細いひげ根を取り除き、千切りにしてきんぴらにします。

 

名前の似ている仲間ツルニンジン

同じキキョウ科で名前の似ているツルニンジンがあります。
山麓や林縁に生えるつる性の多年草で、太い根が朝鮮人参に似ているためこの名前がつきました。
茎や葉を傷付けると臭気のある白い汁を出します。
若葉や根を食用として利用でき、加熱すると臭気は消えます。
若葉は天ぷらやおひたし、味噌和えなどにし、根はすり潰して焼いて食べます。

 

ツリガネニンジンの薬効

薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
ツリガネニンジンの乾燥した根は漢方で沙参(しゃじん)と呼ばれ、以下の薬効があるといわれています。

  • 咳止め、痰切り、咽の痛み:沙参を煎じ、うがいします。

※国内で販売されているものは中国産がほとんどで、日本に自生しているものとは別のものとも言われています。

参考になる本の紹介

この記事を作成するにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真などが掲載されていますので、ぜひご覧ください。

 

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