この植物は一度はびこると除草剤を使っても完全に取り除くことが難しい雑草。
庭で見つかったら、早いうちに引き抜かないと大変なことになります。
そんなヤブガラシを食べることができるなら、どんな風に利用しましょうか。
食用として調べたことをまとめました。
ヤブガラシの基本情報
- ヤブガラシ(藪枯):ブドウ科ヤブガラシ属 多年草
- 別名:ヤブタオシ、ヤブヅル、ビンボウカズラなど多数
- 自生地:北海道~九州
- 開花時期:6~9月
- 薬用効果:利尿、消炎など ※生薬名は烏瀲苺(うれんぼ)
ヤブガラシの特徴
その名の通り、丈夫な藪をも枯らしてしまうほどの繁殖力をもつ、つる性の多年草。
別名のビンボウカズラは手入れの行きとどかない貧乏な場所に生えることから、そのように呼ばれています。
葉は5枚の小葉からなる掌状複葉で、手のひらのような形状をしています。
つるは巻きひげで稜があり、初夏から淡緑色の花びらをもつ、蜜の出る5mmほどの小さな花をたくさんつけます。
朝に開花した花びらはすぐに落下し、花の中心にあるオレンジ色の花盤は後にピンク色に変色します。
生長が早く、地下茎から赤茶色の芽を出したかと思うとあっという間に周囲のものを覆いつくしてしまいます。
地上部だけ刈っても、地下茎が残っていればまたすぐに芽を出します。
ヤブガラシは、リクガメなどの餌として利用されます。
ヤブガラシの食べられる部位と採取時期
5~9月ごろのやわらかいつる先の若芽が食べられます。
地方別の適期は、東北以南で4~7月ごろ、北海道は5~8月ごろ。
春から秋まで次々に芽を出します。
アクがあるため、摘むと手が黒く汚れます。
手袋をして摘み取りましょう。
切り口は汁で汚れるので、濡れた紙などでふき取ります。
ヤブガラシの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
高山以外の山地から低地、路線の柵や生け垣、草原、土手、畑、藪など、場所を選ばずどこにでも繁茂します。
密源植物でもあり、蜂や蝶などが寄り付きます。
また、葉はスズメガの仲間の餌となるため虫が苦手な人が注意。
ヤブガラシの調理方法
- 新芽、若葉:炒め物、和え物、酢の物、煮びたしなど
ヤブガラシには強いアクと辛みがあり、しっかりとしたごしらえをしないといけません。
おひたしには向かず、手間がかかるので趣味として楽しむ食べ物。
ここでは、ヤブガラシのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
熱湯で、茹で汁が濃い緑褐色に変わるまで時間をかけて茹でます。
冷水に取り、何度も水を交換し、さらに半日から一晩水にさらします。
①炒め物
したごしらえした若芽をベーコンなどと一緒に油炒めにします。
辛みは残ります。
②酢の物
したごしらえし、適当な長さに切り三杯酢でいただきます。
独特のぬめりや辛みを楽しみます。
③和え物
辛子和えや味噌和えが合います。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。