開花したら覚えておこう ウバユリの食べ方【食べられる山野草】

食べられる野草・山菜

ネコが誤ってユリを食べてしまい、中毒死したという記事を読んだことがあります。
ネコを飼っている方はくれぐれも与えないようお願いします。

今回は、山地で見られるウバユリについて、調べたことをまとめてみました。

ウバユリの基本情報

  • ウバユリ(姥百合):ユリ科ウバユリ属 多年草
  • 別名:カバウリ、ネズミユリ、ヤブユリ、ボウズユリ、ウバヨロなど
  • 自生地:新潟県、宮城県以西~九州
  • 開花時期:7~8月

 

ウバユリの特徴

大きな葉は心臓形で、光沢と血管のような葉脈があり、根元に生えます。
鱗茎があり、良質の澱粉を含んでいます。
茎は直立し草丈は1mほどになり、夏にはラッパ状の緑白色の花を横向きに複数つけます。
開花期に鱗茎は消失し、その後しばらくすると新たに生じます。

花の時期に葉が枯れることが多く、そのことから葉(歯)が無い姥(うば)の名前がつきました。

 

仲間に、同じく食用になるオオウバユリがあります。
北海道~本州の中部以北に分布する大型の多年草で、エゾウバユリやゴボウユリ、ヤマカブラなどとも呼ばれます。
ウバユリと比べて寒い場所に生育するため新芽の採取時期は少し後にずれますが、鱗茎は大体同じ時期です。

 

ウバユリの食べられる部位と採取時期

3~5月に、若芽と茎葉を採取します。
また11~1月に鱗茎が食べられます。
鱗茎の地方別採取適期は、関東地方以西では11~1月、中部地方では11~12月。

 

ウバユリの採取場所と注意

※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。

山地の林の中、日陰に自生します。
鱗茎を採取する際、適期には葉が枯れているので、見つけにくくなります。
夏の開花期に場所を覚えておきましょう。

※9月、北海道札幌市の豊平公園でオオウバユリが実をつけた姿を撮影できました。

鱗茎の大きさを見極める方法は葉の数で判断します。
葉の枚数=鱗茎の枚数なので、葉の数が少ないものは若く小さいものになります。
採取せずに翌年以降の楽しみに残しましょう。

 

ウバユリの調理方法

  • 若芽:おひたし、和え物など
  • 鱗茎:天ぷら、煮物、和え物、焼き物など

ここでは、ウバユリのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。

したごしらえ 
鱗茎は、鱗片を一つずつはがし、塩ひとつまみ加えた熱湯で10分ほど茹で、水に15分さらします。
若芽も同様にアク抜きします。

①若芽のおひたし 
したごしらえをした後、食べやすい大きさに切って盛りつけます。

②鱗茎の天ぷら 
天ぷらの場合は生のまま、一片ずつ衣をつけて揚げます。
甘みがあります。

③澱粉を団子に 
鱗茎をすりつぶして澱粉で団子を作ることもできます。
鱗茎には多くの繊維があり、アイヌの伝統料理にはオオウバユリの澱粉をとった後の繊維で作る団子もあります。

オオウバユリから澱粉を採取する方法

  1. 鱗茎を一枚ずつ剥がして水洗いする
  2. 鱗茎を樽に入れ、粘り気が出るまでよく押し潰す
  3. どろどろに潰したら水を加え1~2日置き、澱粉と澱粉カス(繊維質)を分離させる
  4. 上澄みの澱粉カスを取り分けると、樽の底に一番粉と二番粉が残る
  5. 一番粉は底にこびりついているので、二番粉をざるで漉して別の容器に分ける
  6. 一番粉も二番粉も水によくさらしてから布袋で絞り、日干しにする

 

ウバユリの薬効

薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
鱗茎の澱粉には、解熱の効果があるといわれています。
またアイヌの人々は澱粉の一番粉を赤ん坊のあせもに塗布したり、下痢止めとして母親が飲み母乳から与えるそうです。

 

参考になる本の紹介

この記事を作成するにあたり、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。

 

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