秋の野山に咲くキク科のものを総称して一般的にノギクと呼ばれます。
ヨメナはその中でも代表的なノギク。
そんなヨメナの、食用として調べたことをまとめました。
ヨメナの基本情報
- ヨメナ(嫁菜):キク科シオン属 多年草
- 別名:ノギク、オハギ、ウハギ、ハナギ、ヨメガハギ、ヨメノサイなど
- 自生地:本州~九州
- 開花時期:7~11月
- 栄養成分:ビタミン、ミネラル、食物繊維など
- 薬用効果:解熱、解毒、抗酸化作用など
ヨメナの特徴
早春に新芽を出し、地下茎を横にのばします。
草丈は30~100cmほどにまで生長し、分枝し夏から秋に直径2cmほどの白色や薄い青紫色の花を咲かせます。
葉は長楕円形で、縁には鋸歯があります。
キク科は雑交しやすく、本来のヨメナの葉の表面はつるつるしていますが、仲間のノコンギクとの雑種は有毛になります。
なお、ノコンギクも食用になります。
静岡県あたりを境に西日本のものをヨメナ、東のものをカントウヨメナと呼び、多少の違いはあるもののどちらも同様に調理することができます。
ヨメナの食べられる部位と採取時期
1~6月に若芽を採取します。
適期としては関西以西では3月、関東は3~4月、東北・中部では4月ごろ。
草丈が5~10cm程度に伸びてきたものを根元から刃物で切り取ります。
20cmくらいまでに伸びてしまったものはアクが強くなります。
春の若芽が分かりにくい場合、秋に咲く花で場所を確認しておきます。
また、花も食用になります。
色の濃いものを摘むと料理が映えます。
ヨメナの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
道端、用水路わき、湿った畦道や土手などにも見られます。
園芸品種もあり、庭に植えられているものもあります。
ヨメナの調理方法
- 若芽:酢の物、和え物、炒め物、汁の実、天ぷら、菜飯など
- 花:天ぷら、おひたし、酢の物など
ヨメナはキク科特有の香りがあり、春菊のような風味。
ここでは、ヨメナのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
塩を一つまみ入れた熱湯で5分ほど茹でて冷水に取り5分さらします。
茹ですぎ、水にさらしすぎると香りが無くなるので注意します。
①天ぷら
葉も花も、採取後水洗いし、そのまま衣をつけて中温で揚げます。
春菊のような香りを楽しめます。
②菜飯
したごしらえをした若芽を細かく刻み、塩を振り、炊き立てのご飯に混ぜます。
チャーハンに混ぜてもおいしいです。
③炒め物
生長してしまったアクの強い葉はごま油で炒め、醤油などの濃いめの味つけに。
ヨメナの薬用効果
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
ヨメナには以下の薬効があるとわれています。
- 風邪の発熱、利尿、腫れ物、歯痛など:春に採取した全草を乾燥させ、煎じて服用します。
- 膀胱炎、利尿:生葉の絞り汁を服用します。
- 虫刺されによる腫れ:生葉の絞り汁を患部に塗布します。
ヨメナを気軽に楽しむ方法
「身近にヨメナが見つからない」
という方は、お庭に植えてみてはいかがでしょう。
ヨメナは園芸品種もあり、こちらのものは花色が淡いピンク色です。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。