片栗粉として有名ですが、現在売られているものは殆どジャガイモが原料。
春に山地できれいな花の群生が見られることも。
カタクリの、野草として調べたことをまとめました。
カタクリの基本情報
- カタクリ(片栗):ユリ科カタクリ属 多年草
- 別名:カタカゴ、カタコユリ、カッコバナ、カタバナ、ヤマカンピョウ、ユリイモなど
- 自生地:北海道~九州
- 開花時期:3~5月
カタクリの特徴
深い山の落葉樹や杉林などの樹林地や斜面、草地に生育します。
特に東北や中部地方の山で群生することがあります。
草丈は高さ15~20cmほどで葉は卵状長楕円形。
カタクリは生育は遅く、種子から花が咲くまでに7年かかるといわれています。
花をつけない苗は1枚葉で、7年目から2枚葉となります。
開花期の春に花茎を伸ばし、先端に花びらが反り返ったを下向きに咲かせます。
花は紅紫色や白色で、一株に一輪。
2ヶ月ほどで種を散らし、その後地上部は枯れてしまいます。
種子にはエライオソームという揮発性物質が含まれており、アリが好むので、巣に運ばれていきます。
カタクリの鱗茎からは片栗粉が作られますが、精製が難しく量産がきかないため、現在ではほとんど作られていません。
カタクリの食べられる部位と採取時期
葉、花、茎、鱗茎と全草利用できます。
地方別の採集適期は、関西地方以西は3月ごろ、関東地方は3~4月、中部地方は4月ごろ、北海道・東北地方は4~5月になります。
葉や花を茎ごと摘み取ります。
鱗茎を採取する場合は、地上部が枯れた時期でも採取できますが、掘り取りにスコップと労力が必要。
カタクリの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
関東地方では自生地が減少しているため保護されています。
北国ではまだ自由に摘めることがありますが、念のため確認しましょう。
採取する時はできるだけ自然を残すよう心掛けましょう。
鱗茎はそのままにし、葉を1枚残した状態にしておくと、来年も花を咲かせます。
鱗茎を採取したい場合は試食程度の数に。
カタクリの調理方法
適量に食べると便秘の改善になりますが、食べ過ぎるとお腹を下します。
- 新芽、茎葉:天ぷら、おひたし、和え物、炒め物、煮物、汁の実など
- 花:天ぷら、おひたし、酢の物など
- 鱗茎:揚げ物、片栗粉など
生でも食べられますが、若干アクがあるのでしたごしらえをします。
鱗茎は自然保護を考えるとおすすめできませんので、ここでは、カタクリの葉や花のシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
塩を入れた熱湯でさっと茹で、冷水にとります。
①天ぷら
生のまま、葉と花は別々に衣をつけて揚げ、塩で食べます。
②おひたし、和え物
葉も花も熱湯で茹でると、ほんのり甘みがあります。
③花の酢の物
二杯酢、甘酢などが合います。
④乾燥保存
下ごしらえしたものを日干しにして乾燥させ、密封保存できます。
使う時は水につけて戻し、炒め物などにできます。
カタクリの薬用効果
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
カタクリから採取した片栗粉には、以下の薬効があるといわれています。
- 擦り傷、おでき、湿疹:片栗粉を患部にかける
- 下痢、腹痛:片栗粉に砂糖を少量加え、熱湯でくず湯のように飲む
参考になる本の紹介
この記事を作成するにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。